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「ミニ冷やし中華」を食べ比べる〜朝食“朝冷中“プロジェクト(その1)

「冷やし中華」の季節である。町中華には、“冷やし中華始めました“のビラが貼られる。かつて、「全日本冷やし中華愛好会」、略して「全冷中」という組織があった。初代会長にジャズ・ピアニストの山下洋輔、タモリ・筒井康隆らも参加し、「何故冬に冷やし中華を食べさせないのか」、「我々は冷やし中華を通年メニューとすることを要求する」というアピールを実施した。さらに、1977年にはよみうりホールで、「第1回冷やし中華祭り」というイベントまで開催してしまう。

確かに冬でも冷やし中華を食べたいが、やはり夏が最高である。しかし、かつて冷やし中華を家で食べるのは、結構ハードルが高かった。スーパーには市販の袋入りチルド商品が売られているが、麺を茹でて冷やすという工程に加え、冷やし中華の場合はトッピングの問題がある。ラーメンは、ネギ・メンマ・焼豚程度があれば十分、最悪素ラーメンでも良い。しかし、冷やし中華は、トッピングが重要である。

この冷やし中華トッピング問題を解決したのがコンビニである。二重構造になったパッケージの上部トレイは、芸術的とも言える仕切りがほどこされ、色とりどりのトッピングがはめ込まれている。

さらに、暑気が押し寄せる夏の朝は、朝食に冷やし中華、“朝冷中“で1日をスタートしたい。ただ、朝から通常量は多い。しかーし、コンビニという日本“ガラパゴス“島で進化した怪物は、「ミニ冷やし中華」なるものを生み出し、“朝冷中“を可能にしたのである。

私のような人が多いのか、この「ミニ冷やし中華」は各コンビニの棚に並んでいる。我が家の生活圏には、ローソン、ファミリーマート、セブンイレブンが揃っているので、各店の「ミニ」を食べてきたが、それぞれに微妙に違う。ならば、一度食べ比べプロジェクトをやってみようと思い立った。

断っておくが、それぞれは別々の日の朝に食べている。従って、その日の気分・体調によって感想は左右される。また、添えてあるカラシは、小皿に出しスープを若干加え混ぜる。そこに麺を時折つけて味の変化を楽しむ。これはdancyu、植野広生方式である。また、マヨネーズを用意し、後半にはこれで味変を楽しむ。こうした前提でのプロジェクトである。

まずはローソン(387円)。トッピングはゆで卵1/2、錦糸卵、ハム、キュウリ、紅しょうが。気をてらわない、王道のラインアップという印象である。麺をまずすすると、ツルッとした麺の食感が印象的である。のどごし爽やかで、軽快な朝を演出する。ゆで卵と錦糸卵のダブルチームは、誰にも文句を言わせないぞという決意表明のようにも見える。

スープの味はバランスが良く、こちらも減点を許さない姿勢である。このように、ローソンのミニ冷やし中華は、お手本のような商品であり、全ての人を満足させる圧倒的な説得力を押し出している。

さて、他店はどうだろうか。明日に続く


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