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「テッドラッソ:破天荒コーチやゆく」シーズン1〜米英のギャップ

エミー賞発表に関する記事で、見なきゃいけないドラマのプライオリティNo.1として、Apple TVで配信の「テッドラッソ:破天荒コーチがゆく」を挙げた。シーズン1、シーズン2と2年連続、エミー賞のコメディ部門に輝いた作品である。

以前から気になっていたこの作品、設定はアメリカンフットボールのコーチが、イギリスのサッカーチームの監督に就任するというもの。

何故にそんなことが起こるのか。

舞台は、ロンドン郊外のリッチモンド。地元のプロチーム、AFCリッチモンドの監督にアメリカ人のテッド・ラッソが就任する。彼は、アメリカンフットボールの経験はあるが、サッカーに関しては無知。

チームの女性オーナー、レベッカは夫の浮気による離婚に際して、AFCリッチモンドの所有権を獲得する。前夫のルパートはこのチームを愛していた。ルパートに対して恨みを持つレベッカは、意趣返しとして、このチームは滅茶苦茶にしてやろうと考える。

そうして出てきたのが、大学アメリカン・フットボールの世界で、弱小チームを優勝に導いたテッド・ラッソの監督招聘である。AFCリッチモンドは、イングランドのトップであるプレミア・リーグに所属するが、競合チームとの力の差は歴然。そこに素人監督がやってきたのだから、レベッカの思惑通り、チームは混乱を極める。

とここまで書くと、スポーツが前面に出たドラマのように見える。私も、シロウト監督がへなちょこチームを強くする、よくある話かと思った。しかし、そんな単純ではなかった。ドラマではサッカーの要素は必要最小限に抑えられれ、テッド・ラッソを始めとする、登場人物の人間臭さに焦点が当てられる。

安直な“スポーツ漫画“的な展開になっておらず、組織マネジメントの要諦のようなものも示しながら、笑いを決して忘れない。主演のジョン・サダイキス、調べてみるとTV「サタデーナイトライブ」のOBで、本番組に企画段階から関与、彼のパーソナリティがドラマを成功に導いているとも言える。

加えて、面白いのが米英の文化の違いが色々出てくる。テッドが振る舞われるのはコーヒーではなく紅茶。言葉においても、イギリスではサッカーとは呼ばずフットボールと言う。車のトランクは、イギリスではブーツ(boots)。Tomatoはイギリスではトマートだが、アメリカではトメイト。私も、ロンドンで地下鉄に乗ろうとSubwayと書かれた入り口から階段を降りると、地下道だった。

テッド・ラッソの子供が、「お父さんはサッカーの監督になったら、何もしていない」とコメントする。サッカーの監督が試合中にやるのは選手交代がメイン、一方アメフトの監督は始終指示を出し、忙しく動き回っている。

概して、アメリカのスポーツは監督が常に介在するが、イギリスのスポーツは基本は選手に任されている。ラグビーに至っては、監督はスタンドにいる。これも、米英の文化の違いだろうか。

アメリカとイギリスの違いを踏まえ、さらに世界各国から集まる選手を、テッド・ラッソはどうマネージしていくのか。オーナーのレベッカの思惑との関係はどうなるのか。。。。。。

なお、AFCリッチモンドというチームは架空の存在だが、それ以外のサッカー関係者・チームはリアルで登場する。リッチモンドは、私が住んだウィンブルドンのすぐ近く。週末にはしばしば遊びに行ったエリア。その意味でも懐かしかった。

結論を言うと、さすがにエミー賞に輝くだけあって面白い。観るに値します。

恐らく、問題はApple TVというサービスへの加入だと思います。Netflixなどに比べるとマイナーでしょう。ただ、Apple Musicの加入者(レギュラー980円/月)なら、月130円追加すると、Apple Oneというサービスにアップグレードでき、Apple TVの利用とiCloudの容量50Gが追加されます。

私は、Apple Oneのファミリー会員(1850円)で、これだと家族で利用でき、iCloudは200Gの追加となります。Apple経済圏に取り込まれています。

出費を最大限活用すべく、シーズン2に移行します



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