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飲食店の窮状〜人手不足、物価上昇、これからどうなるの?

いつものように、自宅から自由が丘のジムに向けて歩いていた。駅に近づくにつれて、お店・飲食店が出現し始める。見るとはなしに、店先を眺めながら歩いていたが、違和感のあるものが。

飲食店の壁に、一枚のメッセージが張り出されていたのだ。その店は「大山生煎店」、上海名物の焼き小籠包の店だ。通りかかった時は開店前だったが、営業時間中に通りがかると、いつも繁盛している。狭い店でほぼ立ち食いだが、女性客も多く、焼き小籠包や坦々麺を楽しんでいる。

この店頭に、 「このままだと年内には・・・・ 力を貸してください!! 一緒に働いてくれる仲間を探してます!」と題された、“お客様へのお願い“が掲示されているのだ。

この店は、自由が丘で13年営業しているそうだ。結構な長さである。しかし、「今が一番崖っぷちです!」と訴えている。スタッフが5人いないところ現在3人、従って週に2日程度は休むことになり、この状態では年越しが難しいという。求人とともに、この状況をSNSなどで拡散して欲しいとアピールしている。

飲食店において、明らかに人手不足と感じる店が増えている。一方で、タッチパネルによる注文など、省力化に努めるところもある。最初は「タッチパネル? なんで客がそんなことせなあかんねん!」と、一瞬大阪人と化したこともあったが、姿の見えない店員を探して注文するより、タッチパネルの方が快適に思えるようになった。ロボットが配膳して来ても、気にならなくなるだろう。

勤務する丸の内界隈で、1000円未満のランチが少なくなってきた。食材価格・賃金上昇で、微妙に価格が上方にシフトしている。一方で、ビル内のお弁当販売コーナーでは、600円前後の弁当を販売し、結構賑わっている。電子レンジも備えてあり、こちらは省人である。コンビニのイートイン・スペースで食べている人も珍しくない。

これから飲食業はどうなるのだろうか。

一つは、省力化、少人数でのオペレーションをテクノロジーで補う方向。そして、もう一つは値上げしかないのだろう。

外国人労働者を活用するという店もあるが、安価の労働力を求めて外国人に頼るというのは、早晩行き詰まるだろう。ただでさえ円安なのに、さらに賃金水準が低い国に、どれだけの外国人が留まるだろうか。賃上げで人を集めるしかないのではないか。

海外に行って飲食すると、日本における外食のクオリティの高さ、サービスの質、そしてその安さを痛感する。インバウンド観光客が日本に感動するのは当たり前である。そして、我々日本人は、飲食店とそこで働く人々の誠意に甘えていることに気づく。

したがって、値上げしても顧客が離れない店は生き残る。値上げすると、売上が損益分岐点以下に落ち込む店は厳しい。当たり前だが、そういう現実が目の前にぶら下がっているのだろう


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