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手の中の音楽31〜“Kissin’ Christmas”と伝説の「メリー・クリスマス・ショー」

クリスマス・シーズンとなりました。珍しく新譜のご紹介(前回はこちら)、と言っても楽曲が作られたのは35年以上前のことです。先月配信開始、12月20日にはシングルCDおよび松任谷由実の50周年記念コラボベスト「ユーミン乾杯!!」にも収録される、ユーミン作詞・桑田佳祐作曲の“Kissin' Christmas(クリスマスだからじゃない)2023“です。

発表当時「レコードにはならない」と言われた曲ですが、桑田は2012年発表の自身のベストアルバムにソロで収録しました。そして今回二人のコラボが実現、「恋人がサンタクロース」など互いの曲もフィーチャーした、聴きごたえのある楽曲に仕上がっています。紅白歌合戦の目玉として、二人の共演を期待する声もあるようですが、この曲の“大晦日バージョン“なんかあっても良いのではと思います。

さて、この曲誕生の背景ですが、1986年と1987年、日本テレビが“木曜スペシャル“として、とんでもないメンツを揃えた「メリー・クリスマス・ショー」という特番を放送しました。1986年は私が結婚した年で、新居用にビデオ・デッキを入手しこの番組を録画して何度か観た覚えがあります。あのテープは、我が家の段ボール箱の中で眠っているかもしれません。

便利な世の中になったもので、家の中を探さなくとも、YouTubeに動画がアップされていて、改めてこの番組を見ました。とんでもない番組でした。

青山のスタジオからの生中継と、事前に収録したミュージック・ビデオで構成されたプログラムですが、フィナーレとして桑田&松任谷中心にスタジオにいる出演者を中心に演奏されたのが、この「Kissin' Christmas」です。

とにかく見て欲しいのですが、例えば番組のオープニングは、スタジオから生中継でビートルズの“Come Together“が、オールキャストで演奏され、ビデオ出演者の映像も挟み込まれます。

桑田佳祐/Kuwata Bandと松任谷由実以外の、主な出演者を挙げてみます。なお、いずれも司会は明石家さんまで、さんまが本曲は「残念ながらレコードにはなりません」と告げます。

1986年 吉川晃司、泉谷しげる、アン・ルイス、中村雅俊、ARB(石橋凌)、故・鮎川誠、原由子、トミー・スナイダー、小林克也
VTRのみは、故・忌野清志郎、チェッカーズ、アルフィー、鈴木雅之、BOØWY、山下洋輔、三宅裕司、小倉久寛など
1987年 86年のメンバーの一部は外れますが、鈴木雅之がスタジオ参加、鈴木聖美、Char、小泉今日子、高中正義も参加します。
VTRのみは、米米CLUB、BARBEE BOYS、BAKUFUーSLUMP、前田亘輝(TUBE)、渡辺美里など。
桑田作の“セッションだっ!“で、清志郎と桑田そしてピアノの山下洋輔がプロレスリング上で共演するのですが、リングアナが古舘伊知郎!。

贅沢な映像・演奏の限りなのですが、アン・ルイスの存在感がすごい!私は彼女のファンで、引退状態は本当に残念だけれど、あの歌唱力は圧巻。彼女、ユーミン、原由子のトリオで、“年下の女の子“をコーデッツの“Mr. Sandman“に絡めて歌うクリップは私の大好物です。

世の中はバブルに浮かれ、テレビも元気だった時代、こんな番組は二度とできないでしょう。それでも、桑田佳祐&松任谷由実が名曲を蘇らせてくれました。

Merry Christmas!!


*1986年の「メリー・クリスマス・ショー」


*1987年の「メリー・クリスマス・ショー」


*2023年の「Kissin‘ Christmas」


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