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少年よ大志を抱け〜篠田直哉著「ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。」

2022年5月10日放送、ラジオ「爆笑問題カーボーイ」にロバートの秋山がゲストで登場した。トークの中で(53分辺りから)、ロバートが大好きでストーカーのように追いかけていた少年、通称“メモ少年”のことを話していた。“メモ少年”はロバートと交流を持つようになり、大学に進学すると秋山の父親が経営するレストランでアルバイトをする。ロバート愛、ロバートと一緒に仕事をするという夢も持ちながら少年は青年となり、遂にはテレビ局に就職してその夢を叶える。

秋山は、“メモ少年”が本まで出版すると話していたので、それを楽しみにしたいた。それが、本書「ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。〜メモ少年〜」である。

中学生の頃から“メモ少年”はロバートのライブに現れ、舞台を観ながら必死でメモを取っていた。少年はロバートが好きでたまらないが、大阪に住んでいるのでロバートの舞台を見るチャンスはそうそうない。東京に家族旅行した際、遂にロバートのライブを体験、貴重な時間を記録し、観た後も楽しもうとメモを取っていた。小さい劇場なので、当然ロバートのメンバーも気づく。舞台上からいじられ、さらには言葉を交わす機会もできる。秋山は、「ロバートのメンバーになりたい」という“メモ少年”に、「マネージャーになったらいいじゃん」と返す。

その言葉を受け、少年は<ロバートと一緒に仕事するという選択肢がある>ことに気づく。メモ少年は、マネージャーになるには、ロバートの所属する吉本興業に入る必要があると考える。<吉本興業に入社する人は、僕の中では大卒で入るイメージ>だったので、<書類選考で落ちないレベルの大学に行きたい>と高校受験を頑張る。

メモ少年は志望校に入学、さらに法政大学に進学する。学園祭の実行委員となり、ロバートのライブを実現した“メモ少年”の夢は、<ロバートと一緒に仕事する>から<ロバートと一緒にものづくりをしてみたい>へと変化する。

そしてメモ少年は名古屋テレビに就職、夢の実現へと進んでいく。

メモ少年、篠田直哉はこの経緯を、ロバート秋山と共に17分ほどのYouTubeにしており、ここまででご興味のある方は、是非見てほしい。それも一つの優れたコンテンツになっているところも凄く、6百万以上の再生回数になっている。

ただし、それはほんのエッセンスであり、本の中にはもっと奥深いものが書かれている。

夢の実現のために、ロジカルにそして具体的なアクションを起こしていくメモ少年。ただし、それは一人でできる事ではなく、ロバートのメンバーを始めとした、メモ少年と関係する人々からの様々な刺激が重要だった。

私のような年齢の人間は、親目線でも見るが、メモ少年の両親が素晴らしい。基本的には厳しい家庭だったようだが、息子の好きなものを押さえ込むことをしない。自分の子供が1組のお笑い芸人に入れ上げ、それ一途になったらどうするだろう。不安に思い、子供の世界をなんとか広げようとするのではないだろうか。不安もあったかもしれないが、彼のご両親は、メモ少年の性格も踏まえ、程よい距離感で寄り添っていたように読める。

無限の将来が広がっている若い世代、それを見守る年代の人、多くの人に刺激を与える一冊だと思う。

メモ少年を卒業したように見える篠田直哉、そしてロバートのこれからにも期待したい



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