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歴史から現実へ〜Netflix「ザ・クラウン」シーズン5

Netflixのドラマ・シリーズ、エリザベス女王を中心とした英王室を描いたドラマ「ザ・クラウン」。今月シリーズ5(シーズン4はこちら)がリリースされ、見終えた。時代は1990年代に入り、保守党政権の首相はジョン・メージャーである。

エリザベス女王崩御の年にリリースされることになったのだが、ドラマはいよいよ難しくなってくる。“歴史“を描いている間は、見る方も楽である。歴史ドラマにはフィクションがつきものであり、それを踏まえて視聴している。しかし、現実を体験している時代になってくると、“真実“との整合性、自身の印象とのギャップが気になる。S5は“現実“に差し掛かってくる。

「ザ・クラウン」は2シーズンごとにキャストを変えてきたが、今回もエリザベス女王を初め、主要キャラクターがガラッと変わる。そのこともドラマの印象を変化させている。

当然ながら、話題の中心はチャールズ皇太子とダイアナ妃の問題になるのだが、ドラマは興味の対象を分散させながら進めていく。エジプトの大富豪、モハメド・アル=ファイドの話などは興味深い。彼の息子ドディとダイアナは不慮の事故死を遂げるのだが、ドディが映画「炎のランナー」のプロデューサーだとは知らなかった。

ロシアのロマノフ家とイギリス王家の関係も描かれる。欧州の王室同士の近く複雑な関係、エリツィン対エリザベス女王、こういう“歴史“的なドラマが再現されるのが「ザ・クラウン」の見どころである。

それでも、結局チャールズとダイアナの関係に戻って行かざるを得ないのが、この頃の皇室である。また、チャールズの王位に対する姿勢が垣間見られる。

エピソード5で、エリザベス女王はメジャー首相との会話の中で、「君主自体が国家統一の象徴」とし、チャールズは「国王が動かざる者として機能する」ことが不満だと話す。「彼は“動“を好む それは危険です」、「何もせずに終わる可能性がある」。

チャールズ国王は、皇太子時代、賞賛に値する行動も取っている。国王になってからはどうなるのだろう。その“動“は変化するのだろうか。先日、チャールズ国王が動物愛護の観点から、王室内でのフォアグラの提供を禁止したとの報道があった。彼の“動“の一つだろうが、これから何が出てくるのだろうか。

そんなことを考えてしまうのも、ドラマ・シリーズが“現実“に近づいたせいだろう。「ザ・クラウン」はよく出来たドラマであり、余計なことを考えずに純粋なドラマとして見れば、S5も十分見るに値する。ただし、1点だけ私の趣味に合わないことがある。それは。。。。やめておこう。ご想像下さい。

シーズン6で「ザ・クラウン」は終了の予定である。いよいよ、私がロンドンに住んでいた時代に入ってくる


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