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知らない曲に出会うには〜小野明子&ゴウ芽里沙@一ツ木町倶楽部

ヴィオリニストの小野明子、ピアニストのゴウ芽里沙、二人とも娘たちが大変お世話になってきた音楽家です。

二人の娘は、大学入学までロンドン郊外のメニューイン音楽院(The Yehudi Menuhin School)で学びました。全寮制のさほど生徒数が多くない学校で、小野さんは先輩、ゴウさんは長女の同級生。現在、小野さんは母校のメニューイン音楽院でも指導、長女は伴奏ピアニストとして勤務、つまり職場の同僚。ヴァイオリニストの次女も、二人と交流があります。

小野明子さんは、イギリスに住んでいるのですが、時折来日しコンサートを開かれています。葉加瀬太郎が、ロンドンで教えを請うたこともあり、7月27日は八ヶ岳高原音楽堂で葉加瀬/小野/ゴウのユニットでコンサートが開かれます。

そんな来日の機会をとらまえ、四谷三丁目のレストラン「一ツ木倶楽部」で、コンサート/ディナーのイベントが開催されました。

30名程度のアットホームな雰囲気で、ヴァイオリンとピアノを楽しめる贅沢な空間。以前に同様のイベントに来た時は、イギリスの作曲家の作品中心という選曲ですが、今回はヴァイオリンの名曲が並ぶメニューです。

クライスラー“愛の喜び“、パガニーニの“カプリス“の超絶技巧、ドヴォルザークなど、聴き馴染んだ曲を楽しんだのですが、最後に演奏されたのがM.カステロヌオーヴォ=テデスコというイタリアの作曲家の手による“フィガロ〜ロッシーニ歌劇『セビリアの理髪師』より“。

演奏前に、小野さんは「セビリアの理髪師」は劇作家ボーマルシェが書いた「フィガロ三部作」の第一作。本作に続くのが「フィガロの結婚」「罪ある母」であることを紹介。「セビリア」の中でフィガロが歌う超絶技巧アリアを基にした曲ですが、ハーモニーなどかなり“遊び心“が感じられることを紹介されました。

フィガロが歌う有名なアリア“私は街のなんでも屋(Largo al factotum)“を編曲した作品で、確かにユニークな箇所もありますが、加えて旋律の楽しさ、ヴァイオリンの技巧、オペラの場面を想起させる豊かなイメージ、とてもステージ映えする作品で。

終演後、小野さんに尋ねたところ、あまり演奏される機会はないそうです。こういう演奏を聴くと、まだまだ知らない音楽が沢山あるなぁと実感した次第です。

“犬も歩けば棒に当たる“と言いますが、やはり行動すると、新たな発見に出会います。

などと考えていると、アンコール。小野さんは、現在メニューイン音楽院にウクライナから来ている12歳の生徒がいること。その彼からウクライナの美しい音楽を日本の人にも紹介して欲しいと言われたことを話され、スコリク作曲の“ミュージック“を演奏されました。この美しい曲も、この日に初めて聴いた作品でした。

アンコール2曲目、モンティの「チャルダッシュ」でコンサートのパートは終了。その後の、ディナーももちろん美味しく頂きました! 


ディナー・メニュー
アミューズ
鶏のガランティーヌ
鱧のベニエ(フリット)
乳飲み子牛(Veau de lair)のロースト
デザート


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