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「DUNE/デューン 砂の惑星 Part 2」〜映画館でしか体験できないもの

前作「DUNE/デューン 砂の惑星」(ドゥニ・ヴィルヌーブ監督)には、大幅に遅れて参加。配信での視聴となったことを以前に書いた。これをきっかけに、原作小説であるフランク・ハーバート著「デューン 砂の惑星」を読み、いたく気に入った。

満を持しての最新作「DUNE/デューン 砂の惑星 Part 2」である。今度こそ、IMAXで体験しようと待ち構えていた。

そして遂に公開である。大画面に広がる映像、体に響いてくる音響効果。通常の映画鑑賞とはレベルが異なる体験を与えてくれた。

“デューン“が描く世界については、小説の感想で一部書いているので、ご興味のある方はご参照されたい。

壮大な物語をベースに、映画版Part1では皇帝を中心として均衡を保っている宇宙において、有力貴族家のアトレイデス公爵家が“砂の惑星“アラキスに“国替え“され、元の支配者であるハルコンネン家との争いが描かれた。アトレイデス家の世継ぎ、ポールと母は孤立、彼らの運命やいかに、“始まりにすぎない“とPart1はクローズした。

Part2は、ポール(ティモシー・シャラメ)を中心とした、“砂の惑星“におけるアトレイデス家の生き残りが映し出される。そしてこの二部作により、小説版「デューン砂の惑星」がカバーされることになる。

この大作を映像化した手腕はもちろん凄いが、同時に小説ではイメージできなかった場面が具現化される。

その際たるものは、砂漠に生きるサンドワーム(砂蟲)である。砂漠の民フレメンにとっての重要なパートナーだが、小説を読んでいてもイメージが湧きにくい。それを、本作では見事に映像化し、そのシーンは感動的でもある。

なお、このサンドワームは、宮崎駿「風の谷のナウシカ」における王蟲を想起させる。芸術・文化は決して突如創出されるものではなく、過去からのつながりの中で生まれるものである。

あの複雑な小説「デューン 砂の惑星」を2本の映画にまとめた手腕が見事である。しかも、その映像美は、映画鑑賞を映画体験に変える。

しかも前述の通り、小説を補完する役割も果たしている。一方で、大著を約5時間半、2本の映画に凝縮したわけなので、細部に渡って説明仕切れていないようにも感じる。小説を読んでいない観客の感想はどうなのだろうか。ちょっと、気になるところでもある。

小説では、「デューン 砂の惑星」は、続編「デューン 砂漠の救世主」(ハヤカワ文庫SF)へと続いている。ヴィルヌーブ監督は、これを基にしたPart3の構想を持っているようだ。

未来の続編にもつなぐべく、Part2“デューン最終決戦“、ぜひ映画館で体験を


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