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旅の記憶番外編:フライト・トラブルあれこれ(その1)〜色々あったなぁ

次女のフライト・トラブルのことを記しながら、自らの身に降りかかった出来事を色々思い出していた。そんなことを記録しておくのもよかろうと思い、“旅の記憶”番外編として、書き残すことにした。ケーススタディとして、何かの役にたつかもしれない。

25年ほど前の年末だったと思う。当時ロンドンに住んでいた私は、パリに家族で行くことにした。朝早い8時頃発のフライトだった。 もうそろそろ着く頃かと思っていたら、機内アナウンス。「パリの空港が悪天候で着陸できません。このフライトは、ベルギー・ブリュッセルの空港に着陸します」

どうしようもない、導かれるがままにブリュッセルの空港に着き、降機した。乗客には2つの選択肢が与えられた。一つはバスでパリまで移動するオプション。我々は当然これを選んだ。ちなみに、現時点でグーグルマップで見ると、約7時間で到着する。

もう一つは、同じ飛行機でロンドンまで戻るというものである。朝早いフライト、パリで日中仕事をするために乗っている人、日帰りの人もいる。そんな場合、バスでパリに行っても時間的に意味がないので、ロンドンに戻ることを希望する。

ここで問題が生じる。飛行機に積まれている荷物を、パリに行く人、ロンドンに戻る人で仕分けする必要があり、ハンドリングに相当な時間がかかった。

ようやくバスに乗り込み、パリに向けて走り出す。その時は、このバスの中で展開されるドラマを知る由もなかった。

しばらくして、前方に座る人たちが同じツアーの一団らしきことに気がついた。自然発生的にリーダー役が現れ、バス備え付けのマイクを使って何やら情報を共有している。どうも、ロンドンからパリ経由でカリブ海クルーズに出かける一行らしい。

ツアーのオペレーターと連絡を取り、乗り継ぎ便の状況を取得し、ツアーメンバーで共有しているのである。「飛行機は、我々の到着を待っています」 。こちらは、知人と食事する予定しか入れていなかったので、遅延の被害は大きくない。しかし、このツアーの人達は、一生に一度かもしれない旅行がかかっているのである。応援したくなる。

しかし、バスがパリに近づくと年末の交通渋滞に見舞われ、進むスピードは遅くなる。iPhone、Google Mapなどない頃である。リーダー役は、定期的に乗り継ぐべきフライトを確認するのだが、パリまであと少しという時、「残念ながら、我々が乗るべきフライトは出発してしまいました」

パリに到着したのは夜の7時頃だったと思う。ロンドンからパリまで12時間程度かかった。ツアーの一行は「このままバスにとどまって、これからのことを交渉しよう」と居座りを決め込む。我々は、「Good Luck!」と言い残して彼らを後にしたのだった。

あの人たちはどうなったのだろう。時々思い出して考える


献立日記(2021/12/28)
ふぐの旨辛鍋
焼き穴子
大根のサラダ〜たらこマヨネーズ


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