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いざ!しまなみ海道へ!!(その5)〜最後は尾道と林芙美子、そして生牡蠣

(承前)

最終日。なんとか、天気は回復してきました。朝のヨガを終え、ホテルを後にして向かったのは尾道。私にとっての尾道は、大林宣彦監督「転校生」(1982年)。監督の故郷、尾道を舞台とし、主演が小林聡美と尾美としのり。幼馴染の二人が、階段を転げ落ちると、二人の肉体が入れ替わってしまう。

映画の中の尾道は、坂や階段が多く、昔の面影を残す素敵な町。一度は訪ねてみたいと思っていました。なお、大林はこの後も、「時をかける少女」「さびしんぼう」と“尾道もの“を制作します。

妻はそろそろ私の観光につきあうのも飽きてきて、取り敢えずはお土産(妻が職場等で配るもの)を買おうということに。尾道にはアーケード商店街があり、歩いてみました。地方都市特有の寂れた感じもありながら、観光地ということで、時折おしゃれな店が出現するのが尾道の特徴でしょうか。風呂屋を改装した中華料理店などというものもありました。

よく知らなかったのですが、尾道を代表する著名人は大林宣彦というより、林芙美子でした。森光子の当たり役となった「放浪記」、成瀬巳喜男の映画「浮雲」の原作者です。

商店街の入口(尾道駅側)付近には記念碑があり、商店街の一部は“芙美子通り“と名付けられています。さらに「林芙美子記念館」がありました。 やっぱり入ってしまいます。自叙伝のタイトル通り、彼女の人生は“放浪“だったのですが、九州を出て13歳の時に尾道で一旦落ち着きます。15歳の時には、尾道市立高等女学校に進学、まさしく多感な時期を過ごしたのが尾道でした。この記念館奥には、彼女の居宅が保存されています。

ホテルの印象が良かったので、駅の少し先にある、同グループが経営する施設「ONOMICHI U2」に足を運びました。海運倉庫を改装した施設は、サイクリストを意識したホテル、ギフトショップ、サイクルショップ、レストランからなるコンプレックス。ランチを食べましたが、ここのパスタもかなり高いクオリティでした。

尾道駅のお土産物ショップで、妻の用事をすませ、やはり尾道観光のチェックポイントに行こうと促しました。

尾道は山が海に迫った地形で、海、商店街を含む狭い平地、線路、山という感じで並んでいます。山の中腹には千光寺などのお寺が建っており、小高い山の上まではロープウェイで行くことができます。

駅から歩いて15分程度のロープウェイ乗り場に向かい、テッペンを目指しました。日曜日ということもあって、多くの人が集まっています。桜の名所らしく、「放浪記」でも懐かしむ箇所がありました。桜の季節はさぞ美しいことと思います。今回桜はなしですが、天気も多少改善し、山頂にはお約束の展望デッキからは、またもや瀬戸内海の景色、そして尾道の街を望むことができました。

しまなみ海道は、尾道から向島に渡るところから始まりますが、両側を結ぶ尾道大橋を眺めながら、一昨日はあそこを通っていたのだと思いつつ、たった2日前なのに大昔のような気がしていました。

見物の後は、“文学のこみち“という、尾道ゆかりの文学者などの詩歌などを刻んだ石碑が並ぶ道を下り、千光寺へと向かいます。立派な寺院は御利益があるのか、訪れる方は熱心に祈願されていました。

さらに降りていくと、曹洞宗のお寺、天寧寺の三重の塔が見えてきます。お寺に入場すると、立派な本堂、そして迫力の五百羅漢像が安置されています。

やはり、チェックすべき場所には面倒がらずに行くべきです。大いに満足しました。さてそろそろ、広島空港へと向かいましょう。

18時過ぎの飛行機ですから、空港で軽く夕食。私は仕事の関係で広島空港には何度も来ているのですが、当時はなかった施設があります。牡蠣料理の有名店「かなわ」が経営する、「Oyster Farm」。流石に「かなわ」の運営だけあって、生牡蠣、浜焼き、カキフライ、全て美味しい。 正直、牡蠣は三陸産に軍配を上げていたのですが、広島の牡蠣も美味い! 5月に入りましたが、牡蠣はプリプリでミルキー。調理の有無・仕方によって、牡蠣の味が微妙に変化し、堪能させていただきました。白ワインも一本軽く空きました。

ということで、美食と景色と文化・歴史をフル体験した、しまなみ海道への旅でした



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