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SmartHR広報の今とこれから。スケールアップ企業の中で、大切にしていること

こんにちは、SmartHRで広報をしておりますhonyuri(@yururisanto)と申します。
これまで、SmartHRの広報組織についてお話しすることがあまりなかったので、「SmartHRの広報ってこんな感じだよ」が少しでも伝わればいいな、という気持ちで書いています。

・広報組織を立ち上げようと考えている
・広報のキャリアの築き方に迷ってる
・企業と広報組織の関係について知りたい
・目標の設定に迷ってる
・SmartHRの広報組織に興味がある

👆こういった方に少しでもご参考いただければ嬉しいです。


SmartHRってどんな会社?

SmartHRはクラウド人事労務ソフトを提供しているSaaS企業です。
従業員は1,000人強で、東京本社のほか国内に4つの支社があります。
2015年にサービス提供を開始して以来、試行錯誤しながら前に進み、いまもなお未完成な部分が多く毎日てんやわんやです。

しかし、創業から10年たち、従業員も4桁を超えると数年前とは少しずつ様子も変わります。私たちは挑戦の精神と情熱を持ち、日々の業務に臨む一方、ある程度整った組織のように映ってしまう場面も少なくありません。
そこで私たちは、この2024年、自らの企業フェイズを見直し、「スケールアップ企業」と再定義しました。

広報の役割と組織体制

「広報」という役割は企業規模や事業フェイズによって大きく異なります。企業側の「広報に求める役割とこれからくる変化」と、広報担当者の「自分の得意なフェイズ」が異なると茨の道を歩むことになってしまいます。
たとえば、企業として「これから新しい領域を切り拓く。広報にはまず市場を広げる手伝いをしてほしい」と思っていたとしても、広報担当者が「企業を守るための危機管理が得意」だと、何も起こりません。
企業側の求める役割と広報担当者のスキルはとてもズレやすく、それで苦しんでいるというお話もよく聞きます。

SmartHRの広報組織では、今の役割を「ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを通して自社の成長を促進すること」と捉えています。

6万社以上にご登録をいただいている「SmartHR」は、サービスの始まりでもある労務と、これからの日本社会で重要性を増すタレントマネジメントの2つを大きな軸としています。
しかし、労務とタレントマネジメントの機能はそれぞれ競合との関係性や社会の課題理解が異なり、置かれている環境も異なります。
さらに、労務やタレントマネジメントだけでない、一人ひとりが”その人らしく働く”ことを叶えるため機能もどんどん増えており、まさにマルチプロダクト化が進んでいます。
また、企業としても1,000名ほどの従業員を抱えるようになり、社会に対する責任も日ごとに増しています。

全方向に責任を果たすためには、日ごろの(双方向の)コミュニケーションを通して、互いの意思を知ることがとても重要です。
そのため、広報組織ではいわゆる"広報"としてイメージされる社外向けのもののほか、SmartHRの従業員向けの社内広報活動と、採用市場に特化した採用広報活動も行っています。
社外・社内・採用、それら3つの広報領域はひとつのチームとしてCEO直下に位置付けられています。
図解すると以下のようになります。

それぞれの役割は以下のとおりです。

  • 社外広報:主に従業員と採用候補者以外を対象としたコミュニケーションを担う。メディアを介したコミュニケーションが多い。直近はプロダクトの理解促進と企業価値向上が中心

  • 社内広報:主に従業員と従業員ご家族を対象としたコミュニケーションを担う。社内でのエンゲージメント向上を目指すほか、経営戦略やミッション、バリューの理解促進を目指す

  • 採用広報:主に採用候補者を対象としたコミュニケーションを担う。関心を持っていただくために自社の方向性を示しつつ、企業実態の理解を促し、ミスマッチを防ぐ

上記のように、それぞれがさらに細かな役割を持ち、「ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを通して自社の成長を促進すること」の実現に向き合っています。

目標と評価について

3つの役割が一つの組織にまとまっている広報チームですが、目標は① 組織全体の目標② 役割(社外・社内・採用広報)ごとの目標③ 個人の目標、という形でブレイクダウンしています。
③の個人目標は施策の積み重ねで達成を目指すもので、③をすべて達成することで②が達成され、②が達成されることで①が達成される、というシンプルな構造です。

施策単位では定量目標を掲げることも多いですが、①〜③自体はどれも定性的な目標&評価です。
組織全体の目標からブレイクダウンしていくことと、期中で評価者&被評価者で期待値や進捗をすり合わせることで定性評価を可能にしています。

経営陣と広報の関係

広報は、2024年からCEO直下の組織になりました。これまではマーケティンググループの中にありましたが、企業規模の拡大に伴い、経営陣とこれまで以上に密にコミュニケーションを取るため、より経営に近い位置へ移動しました。

広報組織をどこに置くか問題は議論がつきませんが、SmartHRでは「すべての広報機能をひとつの組織にまとめ、CEO直下につく」がいまの形です。

もともとSmartHRには"フラット"で"オープン"なカルチャーがあります。
相互の関係にあるのは序列ではなく役割、という理解が広く浸透しており、広報としてはめちゃくちゃありがたい環境です。
しかし、置かれているポジションによって多少なりバイアスはかかるものです。また、"オープンでフラット"だからこそ、情報に溺れてしまう・必要な情報を見つけきれないという課題もありました。
事業・企業規模が大きくなり、広報の業務範囲が広くなった今、必要な情報を最速でキャッチアップし、経営陣の思想を正しく汲んでステークホルダーのみなさまへ歪めずに伝えるため、私たちは「ワンチームで経営直下」という形になりました。

今のチーム

上でも触れましたが、今は「社外広報」「採用広報」「社内広報」という3つの役割に分かれ業務に当たっています。

もともとは「広報」としてひとつだったのですが、従業員が増えるのに合わせて「社内広報」「社外広報」をわけ、採用が複雑化するのに合わせて「採用広報」が増えました。

それぞれ複数人いるのですが、実は広報をキャリアに持っている人は多くありません。
イベント運営をやっていたり自治体で働いていたり、デザイナーや制作会社でディレクターをやっていた方もいて、多様なキャリアが集まっています。
メンバーのスキルが横に広がることでチームとしての選択肢も多くなると考えており、広報以外のキャリアを持つ方も積極的に採用しています。

大切にしているのは自律駆動で物事に取り組めるか、自分の意見を持てるかというところで、チーム内では役割に閉じず盛んに議論が起きています。

広報のキャリアとチームで働く技術

全方位の広報職を一箇所にまとめることの狙いはいくつかあります。
その一つが、広報としてのキャリアを限定的なものにしないためです。

一定規模の企業になると、担当する領域が区分され、「プレスリリースと取材担当がメイン」「社内報を担当している」のようになりやすいと思います。
組織最適を考えるとどうしてもそうなってしまう場合も多いのですが、一方で広報担当者個人のキャリアという観点からは少し不安を覚えます。
「プレスリリース」「社内報」といったように、手法で担当者を決めると、企業や事業の規模が変わったときにそのスキルがうまくハマらないことも出てきますし、成果自体も限定的になります。
そのため、SmartHRの広報組織では、「全員が全広報領域の基礎業務をこなせる」ことを基本とした上で、自身の担当するステークホルダーに特化したコミュニケーションスキルを伸長させることを目指しています。

「組織として社内広報がプレスリリースをかける必要があるのか?」という疑問をいただくこともあるのですが、これも必要だと思っています(個人の意見です)。
従業員をステークホルダーとする社内広報であっても、それ以外の方々とのコミュニケーションの方法を知っていたり、その手法から得られる成果を理解しておくことで、自身の企画の幅も広がります。
たとえば、社内広報が社外広報の基礎スキルを持っていれば、従業員のエンゲージメントを向上させるために外部の媒体で記事広告を打ったり、世論から従業員の誇りに繋げるようなアクションが取れるようになります。

SmartHRでは、「アクション&メンバーの可能性を広げる」ため、広報職を一箇所にまとめています。

しかし、これがベストかは分かりません。おそらくこの組織でやりづらいこともあるでしょうし、これからもずっと模索を続けると思います。

大切にしているポリシー

SmartHRの広報では、「そのコミュニケーションは真摯か」をいつも問いかけています。
すごく当たり前のことで、なにをいまさら…と思われるかもしれないのですが、意識すると難しく、日々試行錯誤です。
少しでも良く見せたい、嫌なことを隠したい、そういった想いが気づかないうちに文章やコンテンツに現れ、実態を少し歪ませます。
広報では、そういった「気付いたら少し大袈裟になってた」を全社に対して問いかけます。

しかし、これは表現や発信を控えめにすることとイコールではありません。私たちは、多くの挑戦を重ねながら急成長し続けなければなりません。
広報が従業員の発信のボトルネックになってはいけないという思いも強く、社内では積極的な発信を後押しするための活動も行っています。

同時に、私たち広報チームの活動が控えめになるようなことも避けるべきです。真摯でありながら、私たちらしい遊び心を忘れず、積極的に且つオープンにコミュニケーションを取っていくこと。これが私たちのポリシーです。

これからの広報組織

広報チームでは、目標達成のための手法を限定していません。

SmartHRが社会をどう変えようとしているのか、皆様が何を思い、何を期待してくださっているのか。
労働にまつわる社会課題のない、誰もがその人らしく働ける社会の実現のため、チーム全員が同じ想いと近い熱量を持ち、日々社会に向き合い試行錯誤を重ねています。
私たちはこれからも、ミッションの実現のため、変化を続ける日本の労働環境に向き合い、ステークホルダーの皆様に、社会に、真摯に向き合う努力を続けます。

そんなSmartHRの広報組織ですが、絶賛採用中です!
一緒に社会の課題に向き合い、たくさん挑戦しませんか?


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