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くらしかるブッディズム

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昔から暮らしのなかで使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直してみるコーナー。第1~6回はこちら→https://temple.nichiren.or.jp/1081018-s… もっと読む
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記事一覧

袖振り合うも他生の縁【くらしかるブッディズム】vol.11

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第11回は、「袖振り合うも他生の縁」です。 ・・・・・・・・・・・・・・ 「袖振り合うも他生の縁」というのは、道端ですれ違った人と服の袖が少し触れ合うような、ほんのささいなことにも、前世のどこかで結ばれた因縁が関係しているものだ、という意味の言葉です。 「他生」というのは、いま現在自分が生きている人生ではない、他の人生のことで、ここでは前世のどこかの時点での生存を指していま

大丈夫【くらしかるブッディズム】vol.10

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第10回は、「大丈夫」です。 大丈夫 「大丈夫」という言葉はとても便利で、日常のさまざまな場面で使われますね。 「あの人なら任せても大丈夫だろう」とか、「ここ座っても大丈夫ですか」とか、茹でているじゃがいもに竹串を刺して「そろそろ大丈夫かな」とか… じゃあ、どんな意味で使っているのかと言うと、場面の違いこそあれ、大体は「心配ない」とか「問題ない」という意味で使われていると

大袈裟【くらしかるブッディズム】vol.9

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第9回は、「大袈裟」です。 「大袈裟」って、漢字で書くと少し仰々しいですね。たとえば、ちょっとたちの悪い虫にさされて肌が赤く腫れてしまって、わあわあ騒いでいる人に、薬を塗ってあげながら「もう、大袈裟だなあ」と言ったりしますが、こういうときは半分ひらがなの「大げさ」くらいのニュアンスで、お坊さんが身に付けている「袈裟」のことなんか念頭にないような気がします。 袈裟と言っても、「

知識【くらしかるブッディズム】vol.8

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 第8回は、「知識」です。 「知識」ってなんでしょう。いろいろな情報を集めて、自分のなかに吸収したものが「知識」という感じでしょうか。 私は新しい研究テーマを見つけると、とりあえず関連していそうな本をたくさん読みます。そうして、だんだん考えがまとまってきたと「感じた」ところで、いざ発表資料を書くぞ!と意気込むんですけど、全然言葉が出てこなくてがっかりすることがよくあります。誰か

喫茶【くらしかるブッディズム】vol.7

【くらしかるブッディズム】は、昔から使われてきた仏教の言葉を、いま再び見つめ直すコーナーです。 ※第1~6回はこちら。 第7回は、「喫茶」です。 あなたは喫茶店に行くのはお好きですか?最近は「カフェ」という名前のお店の方が多いかもしれないですね。あえて「純喫茶」に行くのも素敵です。 私はコーヒーが好きで、家でもお店でもよく飲みます。最近は遠出することが少ないので喫茶店に入ることは少なくなりましたが、外出先でちょっと疲れてしまったとき、喫茶店に入って、コーヒーの良い香りを