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10度目のゴー夫婦の日。

5月22日
わたしたちは夫婦は、この日を
「ゴー夫婦の日」
とよんでいる。

2020年5月22日(金)
わたしたち夫婦の結婚生活10年目がはじまる。

そう、「ゴー夫婦」はわたしたちが入籍をした日。
結婚記念日だ。

2011年。
ダジャレ好きな夫が、「ゴー夫婦」に結婚をしようと言い出した。
いや、ダジャレが好きというか、シャイなのだ。
ダジャレでもかまさないと、恋だの、愛だの、感謝だのをあまり口にできないのだ。

挙式はニューヨークのハーレムで家族だけでしようと決め、準備を進めていた。
そこに、3.11という日がやってきた。
世間は自粛ムード。お祝いごとを中止する場所や人がたくさんいたように記憶している。わたしの当時の職場でも、修了式という節目の行事が中止になった。そんな中で「結婚しました〜」というのはいかがなものなのだろうか……と、ちょっとモヤっとしたけれど、ゴー夫婦という、言ってしまえば、しょうもないダジャレにゴーと背中を押され、予定どおり結婚し、挙式をした。これくらいの軽さが時には必要かもしれない。


まさか、23歳で結婚するとは……当の本人である、わたしが一番夢にも思っていなかった。もっと、正確に言えば、まさかわたしが結婚するなんて! いや、結婚できるなんて!


「あなたたち、結婚して何年になるっけ?」

と、母からメール。

「10年目に入るよ」

「あら、もう錫婚式なのね!」

「ごめん……読めない」

「すずでしょ!まったく(笑)」

銀とか、金とかはよく耳にするし、結婚記念日ごとにいろんな物質の名前がついていることもなんとな〜く知ってはいたけど、10年目が「錫」とは、はじめてしった。結婚1~9年目は「紙」から「陶器」とすすみ、10年目の「錫」ではじめて「金属」になるそうな。


夫婦2人の関係が、
美しさと柔らかさをもち、
錆びにくく朽ちにくく、
年を経るごとに風合いを増す
「錫」のようなものでありますように。
との願いをこめられているとか。


ふむ。
なんだかくすぐったいねえ。


結婚をする時に、一緒に3本の道を歩こうと決めた。
それぞれ歩みたい道を尊重し応援しながら、2人で歩く道を太くしっかりと築きあげていこうと。

そんな2人に、しなやかにやわらかく形をかえる「錫」は、ぴったりかもなあ〜と思った。


錫婚式は、コロナ禍中にやってきた。
だからと言って、何が変わるわけでもないんだけど、ね。


ゴー夫婦というダジャレをかまさないと、愛だの、感謝だの言えないんですよ〜、とtesh(夫)のことをおちょくりながら、わたしも実は、teshを前に、その手の言葉を言うことが恥ずかしくて、なかなか伝えられない。

だから、この場を借りて伝えようと思います!
なんてのも恥ずかしいから、嫌だ(笑)


強いて伝えるなら、
10回目のゴー夫婦も楽しみましょ。


【プロフィール】
中村翔子(なかむら・しょうこ)
本屋しゃん/フリーランス企画家
1987年新潟生まれ。本とアートを軸にトークイベントやワークショップを企画。青山ブックセンター・青山ブックスクールでのイベント企画担当、銀座 蔦屋書店アートコンシェルジュを経て、2019年春にフリーランス「本屋しゃん」宣言。同時に下北沢のBOOK SHOP TRAVELLERを間借りし、「本屋しゃんの本屋さん」の運営をはじめる。本好きとアート好きの架け橋になりたい。 バナナ好き。本屋しゃんの似顔絵とロゴはアーティスト牛木匡憲さんに描いていただきました。
https://honyashan.com/

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