その残業、必要ですか?
職場の別部署と協業する機会が増えてきた昨今。
その部署は残業が常態化しています。
で、私はこの部署のXさんと、とあるプロジェクトで一緒に仕事することになりました。
Xさんももちろん、毎日朝早く出社して、夜遅くまで働いています。
することがたくさんあって忙しいから残業している、というのは分かるのですが、それだけが原因ではないことに気づきました。
どうやら、
自分で自分の仕事を増やしている
ようなのです。
どう増やしているのかというと…
過剰品質
概要さえ分かれば良い社内向けの資料を、必要以上に作り込むとか、そういう類のことです。
スピードを優先すべきところで、見栄えなどにこだわり時間をかけ過ぎる。
で、作り込んだは良いけれど、読み手に配慮のない独りよがりの内容になっていたりもする。
結局は、
私はこんなに仕事を頑張っているんです!
という自己主張・自己満足が最優先されているような気がします。
過剰品質…。これは翻訳業務でも起こりがちなので、私も注意しています。
完璧主義
過剰品質にもつながる話なのですが、Xさんは手を抜くべきところと、そうでないところのバランスが取れないみたいです。
あらゆることにエンジン全開で立ち向かう。
その姿勢は立派です。
が、これだと1件あたりに費やす時間がいつまでも減らない。
だから、仕事は溜まる一方。溜まっている仕事を消化しきれぬうちに、また別の仕事を頼まれて、さらに仕事が増える。
結果、返信も後手に回ってしまい、他の人の仕事も滞るのです。
この状況、誰にもメリットがないと思いませんか?
非効率
先日、Xさんから自社商品の案内資料を私の部署のお客様にも送ってほしいと頼まれたときのこと。
送付前に資料を確認したところ、問い合わせ先として異なるメールアドレスが複数記載されていました。
問い合わせ窓口は1つに集約したほうがよいのではと提案したところ、
「作り直すので来週まで待って下さい。」
と言われました。
この資料は今後も使いまわすので、ここでしっかり作り直したほうがいいとの判断だそうです。まあ、それは理解できます。
ただ、そもそもこの資料、なぜ私が指摘する前に同じ部署の人たちが気づいて指摘してあげなかったのか、そこが非常に疑問なのです。
普通に考えて、問い合わせ窓口がいくつもあったら、それぞれの窓口に入ってきた問い合わせをまとめて共有するだけでも、時間がかかってしまうではないですか?
初稿の段階で気づいていたら、作り直しの作業など発生しなかったはずなのに…。
他の人に仕事を振れない
Xさんはとにかく、なんでも自分でやらないと気が済まない性格なので、人に頼んだ作業も結局は自分が完璧だと思うレベルまで手を入れてしまいます。
なので、自分でゼロから作るのと大差がなくなり、人に振る意味が全くないのです。
仕事を振られた方も「どうせ修正されるのだから」と思うと、そこまで気合いを入れてやる必要はないなと考えてしまいますよね?実際、Xさんから仕事を頼まれた人で、そう証言していた人もいました。
ご本人も「人に任せられない」という自覚はあるようで、上司からも指摘されているそうなのですが、それでも仕事のやり方を修正することができないみたいです。
私自身は日々Xさんのことを観察していて「ものすごく頑張っていて大変そう」と思っていたのですが、今回一緒に仕事をしてみて、結局好きで残業しているんだということが分かったので、心配はしなくなりました。
みなさんの身の回りにも、残業が常態化している人、いませんか?
仕事って、やろうと思えばいくらでもできてしまうのですよね。でも1日24時間しかない。だから取捨選択と優先順位付けが肝心だと思います。
長時間労働で体を壊して長期休暇を取らなければならなくなったら、それこそ本末転倒だし。
私自身は、メリハリを意識するようにしています。社内向けの仕事には必要以上に時間をかけない、社外向けは細心の注意を払う、とかその程度のことですけれども。全部完璧になんて出来ないと割り切りつつも最善を尽くす。
ただ、生産性とか効率を重視しすぎて、無駄なことはやらない主義を貫いているせいで、何かを大切なものを失っている可能性はあります。仕事の出来る人ってたいてい、残業武勇伝みたいなものを持ってますよね?私にはそれがないので、心のどこかで引け目を感じている部分もあります。
でも、残業が常態化してしまう職場というのはおそらく、何かがうまく機能していないのだと思います。人手不足とか、効率化が徹底されていないとか、上司が残業しているから帰れないとか、必ず何か原因があるはず。
周囲の残業魔の人たちをよく観察してみてください。必ずしもシゴデキかというと、そうではない場合も少なくありません。
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