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英文法の学習プロセスについて思うこと

ここ数日間、「英文法をやる」って何だろうと悩んでました。人によって英文法の解釈が違うような気がして。ある人にとってはミスのない英語を話すため、ある人にとってはそもそもの文の組み立て方を知るため……また、どちらにも属さない「TOEICのために空欄の前後だけ見てわかるやつ」という人もいたりなんかして(どんな文章も書き手はいるわけで、たとえテストでも対話だと私は思いますが)、じゃあ私はどのアプローチを取ればいいの!?と。

でもある日、目が覚めた瞬間に明確に答えが出ていました(笑)睡眠学習とでもいうのでしょうか。実は「起きた瞬間に答えが出ている」は、よくあることだったりします。

早速!下記が私が考える文法学習に必要なステップです。

それぞれ何の省略かわかりますか?

G1
C
U
T
R
G2
C

Guess(推測する)

「単語や文法がわからないからわかりません!」という人が多いのですが、まずは考えることに意義があると思います。私も子供のとき(フランスに行く前のまだ「純ジャパ」のときです←関係ないけどこの言い方すごく失礼ですよね)、持っていた絵本に書いてあったreasonをレーズンだと思って一所懸命解読したのを覚えています。自分自身を考えても、今まで教えてきた2000人以上の生徒さんを見ても、まずは興味を持って、あれかもしれない、これかもしれないと推測していくことは必要です。教える側としては時にはあえて考えさせるべきだとも思うくらい、絶対に必要なプロセスです。私の英語日記を読んでくださっている皆さんはすでにこのレベルはクリアしていることになりますので、たとえ今は知識がなくても必ず伸びます!先日ATMにキャッシュカードを置き去りにした日記を英語だけで書いた際に、ソッコーで「カードあってよかったね!」というメッセージをくださった方がいました。TOEICが400点台でも必ず伸びると確証しました。皆さんもぜひGuessしてみてください!

Check(確認する)

Guess(推測)したら、やはり一応調べますよね?この、調べるという行為も大変重要な語学学習のプロセスです。単語に比べると文法は調べにくいと思いますが、今はネットがありますので不可能ではないと思います。場合によっては推測して出た答えを、英語としてではなく「情報として正しいか」という視点で精査を行うこともあります。自分の解釈が合っているか、ネットや本などを当たって裏を取るという作業です。この一手間で、より語彙も文法も定着しますし、日本語と英語のセットでしっかり記憶に保持されるので、必要なときに引き出しやすくなります。日本語を完全に棄てて生きていかない限り、母国語と英語が対で記憶の保管庫に入っていることはとても大事だと私は思っています!

Use(使う)

Understand という方が多かったのですが調べたただけでunderstand 出来たら天才です。というか…わかったつもりになっているだけかもしれません!意味を調べたら、実際に使ってみましょう。ただし、この時点で「アウトプット」とか「ネイティヴとの会話」と考えてしまうと、その機会が来るまで一生使わないことになります。試合に出るまで練習しないスポーツ選手、客が来るまでハサミを持たない美容師…上手くなるわけがないですよね!?
いつも「ひと手間かけましょう」言っているのはこの部分です。日記を声に出して読んでいる人(「読経」)や書き写している人(「写経」)は、テストのスコアに関わらずレベル3(U)です!そのまま続けましょう!例文探しも効果的ですよ!私がフランスに行った時持っていたのは辞書2冊(英和と和英)、インターネットはまだない時代、アメリカと違って学校の勉強を手伝ってくれるチューターの制度はなし、という環境。インターナショナルスクールのクラスメートは1/3が日本人、ネイティヴは3名程度。私が毎日していたことは、写す、例文を探す、自分でも書いてみる、でした。

Test(検証する)

Guess, Check, Useの次はTestです。Useとの違いは「正しく使えているかきちんとフィードバックをもらう」ということです。発音も文法も、お金をもらって「教えてください」と言わない限りネイティヴは間違いを指摘しません。
理由1) めんどくさい
理由2) 関係性を壊したくない
逆の立場でも同じだと思います。帰国子女でも、何年留学していても、何十年ネイティヴと結婚していても、英語力が伸びないケースがあるのはその為です。ネイティヴが間違っていることもあります。でもきちんと受け入れて、次のステップに進みましょう!私は上智の比較文化学部の出身なのですが、入学当初のエッセイは「explain!」の赤字だらけでした。「こんなはずじゃなかった」「アメリカの大学に行った方がまし」と辞めた人は少なくなく、卒業までいた同級生はなんと入学時のちょうど半分でした。でも、日本人の特性をわかったうえでトコトン指摘してもらったお陰で私はここまで来れたと思っています。


Revise(見直す)

これについてはreview, rethink, reconsider, ... でもいい気がしますが、retryと書いた人はバツです。「数打ちゃ当たる」的な発想はダメですよ!前置詞を選ぶときに「in? えー。on?at?」と片っ端から言ってみて、すぐに「もうやだ!」という方がたまにいますが、気持ちはわかりますが、せめてinとonとatの意味についてもう一度考えてみるとか、考えることで活かせることはあると思います。実はこのタイプの方は一番私の指導の効果が薄くなります。直せば怒るし、英語を嫌いになられたら困るし、あと一段掘り下げようかどうしようか迷ったときに、「今回はやめておこう」という気持ちがどうしても働きます。頑固であることは大事ですし私も頑固だと思われていると思いますが、こと学ぶということにおいてはやはり素直さが一番大事だと思っています^_^次回、私がネイティヴにけちょんけちょんにしていただいた、大変有り難いエピソードをご紹介いたします!

ネイティヴにけちょんけちょんにされた有り難いお話

大学生のときの塾のアルバイト(慶應高校の、しかも大企業のご子息が通う隠れ家的な塾でした)以来、細々と友人や知人に英語を教えていた私ですが、翻訳本が出たことや、その他もろもろのことがきっかけで、2015年4月1日に独立しました。その、まさに開業届を出しに行った日のことです。中野駅近くのスタバでいつものようにブログを書いていたのですが、「Today, I came to Nakano Ward Office to report my opening of business」と書いたとたん、それまで一度もコメントなんて書かれたことがなかったのにもかかわらずどこかのネイティヴと思しき人物のコメントが!「翻訳家ならもうちょっとその英語をどうにかした方がいいですよ」という内容でした。ん!?なんでえ!?英検一級、TOEIC満点ですけど、私……。と思ったのは一瞬。どこがどう変なのよ!?と訊きたい気持ちはヤマヤマだったのですが、軽く「何かおかしいですか?」と軽く訊いても返信なし。はい、先日書いた、「ネイティヴも説明がめんどくさいから意外と教えてくれない」てやつです。これはもう自分で考えるしかないと思いました。そこから動詞とか前置詞のことを徹底的に調べました。インターネットや本でサンプルセンテンスを何百と見ました。そして、自分の英語が非常に不自然だったことに気付きました。英語は1)自分が物理的に今どこにいるか2)いつ何をしたことにフォーカスするか、この二つが「めちゃめちゃ」重要な言語なのだと気付きました。

今なら
I’m at a Starbucks near Nakano Ward Office. I’ve just submitted a document for becoming a private business owner.

もしくは帰宅後
Today, I went to Nakano Ward Office to...

と間違いなく書きます。説明は出来ますが、本気で考えたい、卑屈にならない、分からないストレスを私にぶつけない、時間をかけてもいつか分かりたい、そんな人だけ訊いて下さい(笑)

Gather(集める)

Gはgatherです。難しい、難しいと言いながら、案外自己中な勉強をしがちです。私も含めて。でも、ある程度のレベルまで来たらどこかの時点でやはり実例の収集を徹底的にするのは大事です 。レベルとはテストのスコアではありません。G1、C、U、T、R、まで行ったらという話です。

C2(Choose)

私が考える文法学習のステップ、次はChooseです。実際の用法や例文をgather(集める)したあとは改めてその中から適切なものを選ぶ作業をします。情報が増えたらその都度整理して「どのシチュエーションでどれを使う」というのを整理しておかないと、必要なときに出てきません。そのためには、やはり「喋る」でも「書く」でもなんでもいいのですが実際に使うことです。どんどん服を買い足して、でもどこに仕舞ったかわからない……そもそも 袋から出したかどうかさえ記憶がない……そんな状態になっている人、いませんか?「持っている」ことに気づくためには、たまに悩んで選ぶ作業が不可欠です。服と同じように「私は10個の構文だけで生きて行きます!」「人が選んだ服をそのまま着ます」というならそれはそれで構わないと思いますが、その場合には英語の勉強はもう必要ないのでやめた方がお金にも気持ちにも余裕が出来ますよね。早く決断しましょう!「もっとステキな服が欲しい」、「季節やオケージョンに合わせた服装を心がけたい」という気持ちがあるのであれば、やはりクローゼットの整理は必要です!



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