永遠と地獄

「永遠、地獄の話をしよう。」
 読んでいた本を閉じ、いつもの時間が始まった。
 急須に湯を注ぐ。この時間には日本茶が欠かせない。なぜか? それは二人とも深く考えたことはない。兎に角この時間の飲み物と言えば日本茶なのだ。
「閻魔様のお話の続き? 牛頭馬頭のお話も気になるよ。」
 お茶を淹れながらあれこれテーマを提案してみる。その間にお茶菓子が用意されていた。いつものことながら手際がいい。
「まあそう急かさずに。まずはお茶だよ。」
 なだめられる午後。セミの最後のひと鳴きが聞こえた。

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