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石留めされた宝石が外れる事はあるのか?

石留めされたダイヤモンドも他の宝石も外れます


たまにお問い合わせで「石は外れますか?」と聞かれる事があります。当然ながら「外れます。」と答えます。

石を留めているのは金属なので金属は曲がるし外れるじゃん。と思うのですがどうもプラチナやゴールドは鉄より硬いと思われている節があります。

実は柔らかいプラチナとゴールド

宝飾品に使われるプラチナやゴールドは柔らかく、プラチナの場合、鉄の半分以下の硬さしかありません。

硬さを測るビッカース硬度では鉄が110HVでプラチナは50HV程度なのでかなり柔らかいです。10cm程度の鉄の棒を曲げるのは結構な力が必要ですが、プラチナだと簡単に曲がってしまいます。

鉄の種類も色々あって硬度も一概には言えませんが代表的な硬さでも宝飾品に使われる地金より硬いのですね。

ちなみにビッカース硬度とは硬さを表す尺度の一つで、押込み硬さの一種です。

プラチナとゴールドはどちらが硬い?

プラチナとゴールドはそのどちらも鉄より柔らかいのですが、どちらが硬いかと言えば、宝飾品に使われる18金とプラチナだと18金となります。

プラチナは純金の約5倍程度の硬さがありますが、純金だと宝飾品には柔らかく使えないので割り金を加えて純度を75%まで落とした18金だとプラチナよりも固くなります。

プラチナは18金よりも柔らかいですが粘度が高く宝飾品の加工には向いているのです。

ちなみになぜ18金と呼ぶかと言えば、ちょっと分かりにくいですが純金は24金と言われその75%が18だからです。

金が貴金属として認知され始めた時代には、『パーセント』という概念がなく、1日が24時間であることから、貴金属をはじめ全ての基準の数値は24分率で表わされていたからと言われています。

海外製品を見ると750と刻印がありますが、これは純度75%の金という意味で18金と同じ意味になります。かなりややこしいですね。。。

宝飾品に使われている地金は柔らかい

簡単に言えば、地金って実は柔らかいので爪も柔らかいので、留められている宝石も外れる事があるという事ですね。それはプラチナやゴールドでも同じで外れる事があります。

ただ、一般的に見てみるとプラチナやゴールドは硬いと思われる事が多いようで、その原因は「なんとなく高いから硬いと思う。」と言われる事がよくあります。

意味は分かるのですが、高いのは地金の相場であって硬さではないのですよ。。。気持ちはわかります(^^;)

とはいえ、そんなに簡単には外れない

通常の使用ですぐに外れるという事はなく、ほとんどの場合金属疲労という事が多いです。

強い衝撃であったり、何かに引っかかってしまったりして、爪が緩んだ結果外れてしますだとか、長い間使って爪の地金がすり減ってしまって強度が弱くなった結果外れてしまうという事です。

外れても修理が可能です

ほとんどの場合、石が外れてしまっても修理は可能で爪を作り直したりして修理しています。

埋め込まれた石が外れた場合でも、まず外れた部分に地金を埋めて爪を作り直して新たに石を留め直したりしています。

その他の場合でも修理は可能なので、購入したお店などで相談してみる事が大事ですね(^^)

全然関係ありませんが、上のサイコロは18金で作った「金のサイコロ」です。楽天市場店で販売しています(^^)

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