マガジンのカバー画像

高校演劇審査員日記

18
山本が2019年9月に初めて高校演劇の審査員をやった時のツイッターのまとめです。以降、審査をやらせてもらうたびに長文ツイートするので、その都度まとめています。劇のアーカイブとして…
運営しているクリエイター

記事一覧

ある日の高校演劇審査員日記・2022年秋その③

ある日の高校演劇審査員日記・2022年秋その③

 前回、前々回引き続き、高校演劇の審査員をやって、見た高校の感想をかきまーす。前回の記事はこちら。

9/25 ① 都立紅葉川『野田秀樹のせいじゃない』

 日にち変わって、二日目。紅葉川高校の作品は、OB創作による新作劇である。

 オッというタイトル。これは劇中でも説明があるけれど、この高校演劇部でおきた(であろう)事を元ネタに作られた怪作!

 前年の高校演劇の大会が、劇作家の「野田秀樹」…

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記・2022年秋その②

ある日の高校演劇審査員日記・2022年秋その②

 前回に引き続き、9/19・24・25日と、高校演劇の審査員をやり、主に講評で何を言ったかをかきつつ、「こんな劇がこの地上に出現したのですよ」という事を、書いていこうと思います。
 今回は地区大会2日目、9/24日に上演された五校について書いてます。

 この日から会場も変わり――というのもなかなか大変で、もともとの会場だった場所がコロナの陽性者が出たという事で使用ができなくなり、急遽変更になった

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記・2022年秋その①

ある日の高校演劇審査員日記・2022年秋その①

はじめに

 さて今年も山本は、高校演劇の審査員というものをやってきました。ありがたいことにこれで3回目……くらいだったかしら。あと新人フェスみたいなものやった覚えがあったり。

 第45回東京都高等学校文化祭演劇部門地区大会・第76回東京都高等学校演劇コンクール地区大会発表・城東地区Aブロックの、2022年9月19日・24日・25日分の、計15団体(一つ辞退あり)の審査をやらせていただきました。

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その5

ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その5

 「その1」から長く書いてますが、東京都城東地区高校演劇新人デビューフェスティバルで一人審査員した話の、今回は総評といいますか、あの……どういう風にして賞を決めるっていう話を考えたいと言いますか。

 賞。そう。審査員として呼ばれるってことは、賞、決めるんだろうなあと思っていたら、これが結構大変だった。量が。という話をします。約9000字ほど……目次すらたたまれてしまう長さよ……。
 今回のシリー

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その4

ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その4

 さて今回で全校分感想フォロー。2021年・東京都城東地区高校演劇新人デビューフェスティバルの2日目の午後の部の6校分の感想になります。

2日目 午後の部①【都立成徳】『札束浪漫紀行』 お札に印刷されている偉人たちが、令和日本を見つめつつ議論をするというワンダーなお話。衣装に力が入ってたなあ。

 これは仕方のない事だったのかもだけど、若干音響レベルが大きく、冒頭のいくつかのセリフが聞き取りづら

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その3

ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その3

 ひきつづき、2021年・東京都城東地区高校演劇新人デビューフェスティバルの講評を言葉にしてみました。2日目の午前の部の4校の様子です……。

2日目 午前の部①【都立足立西】『BEAR HUNTER HUNTER』 こちら生徒創作というか、2日目は確か、全校が生徒創作。熊が出てきた。戦う。最終的に、顧問の先生が出てきた。そんな話。

 演劇は何のためにあるのか、というのも日々考えたり、わからんな

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏  その2

ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏  その2

 前回に引き続き、2021年・東京都城東地区高校演劇新人デビューフェスティバルの19日ツイートしたものをまた書きます……。今回は午後の部の5校分になります。

午後の部①【都立小岩】『夢』 19日の午後一発目の公演。生徒創作。進路希望調査を提出できないでいる男子生徒が夢と現実のギャップに苦悩するというお話。

 現実の高校生が、現実の高校生を演じるって、けっこうむつかしいのだろうなあと思う。モチー

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その1

ある日の高校演劇審査員日記 2021年夏 その1

2021年夏2021年6月19日と20日…… 山本はまた、高校にきておりまして、東京の……東京都の高校演劇の「城東地区」の、新人デビューフェスティバルという、短編演劇大会の審査と講評をやってまいりました。で、それの感想を当日ツイッターしたんですけれど……。
 当日は汗だくだった。異様な、汗だ。汗だくで講評してしまって、なんか清潔感なくてもうしわけなかったなあ。汗まみれで劇の感想をぺらぺーらしゃべる

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記。2020年の3

ある日の高校演劇審査員日記。2020年の3

2020年10月10日

東京都高等学校演劇コンクール2020・多摩北地区B日程3日目
⑨創価『ああ、やっぱり理解できない』。

 こちら、演劇部作になっている。演技の天才と美術の二人の天才が手を組み、一つの舞台を作り上げるというお話。

 この劇の何が困難かと言ったら、「天才」を舞台上に出現させなければいけないんだよなあと見てて思った。僕の懸念はさておき、このチームのもつ明るさと肩の抜けた感じで

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日誌。2020年の2

ある日の高校演劇審査員日誌。2020年の2

 ひきつづき、二日目の感想です。

・・・・・・・・

2020/10/4

東京都高等学校演劇コンクール2020・多摩北地区B日程 二日目
⑤都立松が谷『ひよりぼうず』

 太宰治の『駆け込み訴え』を原作にした創作脚本。といいつつ、さまざまな引用がなされた、今大会屈指のヤバい作品。

 どんな作品なのかを、どう説明したらいいか……。
 見たままを言うならば、最初なんか、落語なのか、落語やってたと

もっとみる
ある日の高校演劇審査日記。2020年の1

ある日の高校演劇審査日記。2020年の1

 ツイッターにて、東京都高等学校演劇コンクール2020・多摩北地区B日程の審査員をしたときのことや、見た高校についての全部の感想を連投しました。
 ちなみに審査結果は下記になります↓

 ツイッターでは見づらいのと、アーカイブの意味も込めて、こちらでもまとめてみました。
 コロナにより特殊な年だった今回の高校演劇コンクールのある日の地区大会の様子を、ぜひお伝えできればなーと思っております。
 長い

もっとみる
ある日の高校演劇の元審査員日記7

ある日の高校演劇の元審査員日記7

2/3

 昨日は高校演劇のあれを、つまり、見に、茅野という、新宿から特急で2時間強の場所にある長野にて、そこで関東大会が行われているのであった。長野とは関東のことである。

 どういう御縁かもう一度言うと、昨年度、初めて高校演劇地区大会(東京・城東地区A日程)の審査員をやり、一つ上の大会(東京中央大会)に選出した高校――都立東高校というところなのだけど、その高校が中央大会でも勝ち残り(ここは僕が

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 その6

ある日の高校演劇審査員日記 その6

11月18日~

 17日に高校演劇の東京中央大会、スケジュールの都合上、三校しか見られなかった。その感想を労務先から書ける限り。

中央大会2日目
1 武蔵野北『アルジャーノンに花束を』

 原作小説ファンとして、とても興味あり。どう演じられるものか。単純に大河な話を、どう1時間切り取るのか。それも興味深くみた。原作のあらすじを超絶ざっくりまとめると、知能が低い人が手術で高い知能を手に入れるが、

もっとみる
ある日の高校演劇審査員日記 その5

ある日の高校演劇審査員日記 その5

11月16日

 今日は高校演劇の東京都大会、いわいる「中央大会」と呼ばれる「地区大会」の一つ上の段階の大会を見た。何で見に行ったかというと、僕はその地区大会では審査員をやらせてもらっていて、そこで選出した高校を見届けたいという動機もあった。
 見た7つの高校は次のとおり。
都立松が谷
都立国立
都立大泉桜
都立晴海総合
都立駒場
立川女子
都立東

 ……別に中央大会には、僕が担当した地区大会

もっとみる