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バーの超能力者(日常の不思議ファイル53)

もう記憶が定かではないのだけれど

長野県の有名な寺の近くの一方通行の中にあるバー。

そこのオーナーが超能力者だというので

まだ幼い3人の子供を連れて行ったことがあった。

夜の7時オープンという

小さな子供のいる家庭では出歩いたことのない時間に

親子5人行ったのだから

店としてはおやおや…と思ったことだろう。

ホステスさんたちが珍しがって子供たちの相手をしてくれている間

オーナーの不思議な力を見せてもらった。

名刺ももらったし名前も知っていたはずなのに、もう記憶のかなたで思い出せない。

そこに行ったのは多分

世の中には理屈では計り知れない、いわゆる不思議が本当に存在するということを自分の目で確かめたかったのだと思う。

あの当時、3番目の子供に奇跡が起きないかと心の底から願っていたから、ここに理屈で説明できないチカラが存在するなら、この子にも奇跡がおこるのではないかと、渇望があった。

のちにあの人が亡くなったと人づてに聞いてショックを受けたけれど

今も家の玄関には

グルグルに巻いたような厚みのあるスプーンが飾ってある。

今も、あの出会いは

私の価値観に大きく影響を与えている。

誰か知らないだろうか?

店名は「ポリス90」?

だったような気がする。


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