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遡る農場通信

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2024年、ほのぼのハウス農場は10年目を迎えます。 大勢の方々に支えていただきながら、日々、有機野菜やニワトリを育てています。今までの出会いに感謝しながら、私たちの歩みを皆さん…
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記事一覧

秋の暮れに

2014.11.14 NO.34農場通信 秋月の候 いかがお過ごしでしょうか。いよいよ寒くなってきました。 日の出は日に日に遅くなり、夕暮れは日に日に早くなってきました。 日中、お天道様がでれば非常に仕事がしやすく、さくさく仕事が捗ります。したい仕事は山積みで、夕ごはんを食べた後も、電気をつけてでもしようと思いながら濛々としていますが、温かい家に帰ってきて、温かいお茶とご飯を食べると、ぞっと疲れが出て、僕も普通の人間だなと思う日々です。 一人の人間ができることはしれてい

雨乞い

2014.07.28    NO.19農場通信 皆さん、おはようございます。子どもたちには夏休みがやってきました。大人たちは変わらず懸命に働きます。 先日、疲れが蓄積して久しぶりに日中を家で過ごしました。そこには二人になったわが子、それがまた騒がしい騒がしい。赤ん坊は泣くや泣くや、チビ はわめくわわめくわ。あら大変。世の中の御母ちゃんには休みがない。子どもたちに振り回されず、淡々と家事、育児をする母ちゃんに頭が上がらない思いでした。 2児の母になった妻とそんな話をしている

地に足をつけて|遡る農場通信

2014.07.21 NO.18農場通信 みなさん、こんばんは。ふと見上げると、空が遠くに青く見えるようになりました。梅雨が無事明けたのでしょう。大地に恵みの雨をもたらせてくれ、山裾に広がる青い田の稲はすくすく育っています。私たちの野菜達もぐんぐん大きくなってきました。今週も先週に続き、桑原さんの寄稿文を掲載いたします。桑原さんは来月より紛争の絶えないアフリカの南スーダンへ人道支援のためにしばらく出張するそうです。彼の活躍と平安を心からお祈り申し上げます。 持ち帰った大量

友人|遡る農場通信

2014.07.14 NO.17農場通信 みなさん おはようございます。いよいよ暑くなってきました。お変わりなくお過ごしでしょうか。先日、消費者のひとりでもあり、友人でもある桑原さんが東京からはるばる仕事を休んで手伝いにきてくれました。農や食について語り、全身全霊をもってともに汗を流しました。貴重な時間を過ごせたことを感謝しております。  体験談を寄稿してれくないかとの提案に以下の長文がおくられてきました。今週と来週、2週に分けて掲載します。 「ちょっと手伝いにきてよ。い

台風 自然と対峙するということ

第16号 2014年7月7日 みなさん、おはようございます。 赤く実ったトマトをようやく両頬にほうばれるようになりました。夏の暑い日の昼下がりに一口食べるこの嬉しさと快感は生命の活力を見出してくれます。 大きな台風が沖縄のほうから近づいてきているようです。 まさかこんな早く来るなんてと少し落胆していますが、台風は事前に準備ができるために、何とか対応しようと思います。 この1年間に鶏舎が3棟、農場用出荷小屋が1棟、子ども用休憩小屋が1棟と数多くの建物が農場内にできました。また

初卵|遡る農場通信

2014.06.14 NO.13農場通信 みなさん、こんにちは。 雨の強さに驚きと不安を感じる日々が続きますが、皆様変わりなくお過ごしでしょうか。 農場は日々、刻々と変化しながら、緑にあふれ夏模様を呈してきました。 先日まで、止まり木にも上手に止まれない、可愛いらしい鶏たちですが、先日ふと鶏舎の片隅に小さな赤い卵が産み落とされました。濃厚飼料ではなく発酵飼料と緑餌のみでゆっくりと大きくなり、150日目にしてはじめて卵を産んでくれました。わが子のように丹精こめて、餌をやり、

長男が生まれました|遡る農場通信

2014.06.28 NO.15農場通信 みなさん おはようございます。 少しずつたわわに実ったトマトが色づいてきました。 日に日に花を咲かせ、実をならしていましたが、一向に赤くなりませんでした。 ようやく数日前から色づき始めました。嬉しさのあまりに、少し色づけばすぐに食べてしまい、いまだ完熟の甘いトマトはいただけていません。ぜひ7月に入れば、完熟のトマトがみなさんの元に届けられることを願っています。 今年は、種の育種もかねて5種類のトマトを栽培しています。その中の美味しい

初物を笑っていただくと|遡る農場通信

2014.06.21 NO.14農場通信 みなさん おはようございます。 東を向いて、わっはっはっは。 先日、近所の老夫婦が畑仕事を手伝いに来てくれ、昼食に初物の胡瓜をご馳走することになりました。すると、二人そろって、「初物を頂くと、東を向いて笑わないと。」と言いながら、笑い出しました。二人の息の良さに見とれながら、僕もわっはっはっはと笑いました。 昔から、初物をいただき、東を向いて笑うと福がくる。75日寿命が延びるという教えがあります。昔から旬を大切にしてきたのは、おいし

プロの仕事をめざして

2014.06.07 NO.13農場通信 みなさん こんばんは。 長雨が続きますが、みなさま健やかにお過ごしでしょうか。くちなしの花の香りが漂う季節になりました。野菜にとって干ばつの後の雨は恵みで、息を吹き返したかのように成長しますが、こうも雨が続くと根に酸素がいかなくなり、根腐れがおこったり、雨の跳ね返りが葉っぱについたり、ウイルスが蔓延したりして、気が気でなりません。 先日、畑に行くと、海に泳ぐ魚のごとく、蝶が飛んでおり、キャベツを観察していると、大量の青虫が発生してい

祈りながらの畑仕事

2014.05.24 NO.11農場通信 吹く風が丘をかけのぼり、肌をやさしく包んでくれます。そんな過ごしやすい5月かと思っていましたが、ここ2~3日は大変暑い日が続いています。 日々、朝夕の寒暖の差が激しいですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 レタス、サンチェなどの春野菜の出荷がピークを迎えていますが、この激しい暑さのため、葉先が縮れてしまい、日に日に冷や冷やしております。何とか6月中旬ごろまではこれらの春野菜が楽しめないかと考えています。 夏野菜も少しずつ大きく

わが子のように

2014.04.19 NO.5農場通信 「娘を育てるようだ」と妻はつぶやきながら、苗の管理を手伝ってくれています。育苗ハウスは胡瓜、トマトなどの夏野菜でいっぱいになってきました。 小さな鉢から野菜の成長に合わせて少しずつ大きな鉢に変えていきます。  こうすることで、作物もストレスを感じながら、新しい活力のある白い根を出しながら、強い苗ができていきます。 しかし、特に大きな鉢に移植したときなどは、根が一時的に切断されるために、水不足などで萎れてしまったり、弱くなって病害

はじまり

2014.03.07 NO.1農場通信 みなさま、こんにちは。 朝早くから畑の土の上を歩くと、ギュギュと霜柱が壊れていくのを楽しんでいましたが、ほっと山の畑で作業をしていると近いところで「ほーほけきょ」と聞こえてきました。春というのは突然やってくるのですね。こんなに大雪が降ったのは何年ぶりかという話をよく聞きますが、厳しい冬を乗り越えての春の陽気は本当にうれしいものです。 しかし、農夫の小生にとって、春の訪れは農繁期のはじまりでもあり、焦る気持ちを抑えながら、毎日作業に