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地に足をつけて|遡る農場通信

遡る農場通信とは?
これまでの農場の歩みを振り返り、当時のお野菜セットとともにお送りしていた農場通信を皆さんにもお届けさせていただきます。

2014.07.21 NO.18農場通信

みなさん、こんばんは。ふと見上げると、空が遠くに青く見えるようになりました。梅雨が無事明けたのでしょう。大地に恵みの雨をもたらせてくれ、山裾に広がる青い田の稲はすくすく育っています。私たちの野菜達もぐんぐん大きくなってきました。今週も先週に続き、桑原さんの寄稿文を掲載いたします。桑原さんは来月より紛争の絶えないアフリカの南スーダンへ人道支援のためにしばらく出張するそうです。彼の活躍と平安を心からお祈り申し上げます。

持ち帰った大量のオカラに、 予め用意してあった麦、もみ殻燻炭(お米の殻を無酸素状態で炭化させたもの。消化を助ける働きがある)、カキ殻(卵の殻 を作るカルシウムの元)、魚粉(動物性たんぱく質)、腐葉土(土着性の菌を補給)をスコップでよく混ぜ合わせ(友人に言わせるとこの配合率が 大切とのこと)、それを複数のプラスチック製の壺状の容器や木箱に丹念に敷き詰めていく。嫌気状態で約一週間放置し発酵させ、1か月分の飼料 が完成します。

 この飼料、とてもおいしそうな香りがしており、配合した物からして健康に良いことは明らかだと思いました。そういえば幼少期に実家近くにあった養鶏場からは、風向きが悪いと糞尿の悪臭に鼻をつまんでいたが、なぜかこの鶏舎は臭いません。友人によれば雨の日は臭うことがあるが、このような体に優しい発酵飼料を与えていれば臭いは出ないのだとか。

それから、平飼いというのは一般的な鶏舎での飼育と違い、鶏たちが自由気ままに敷地内を走り回っています。運動エネルギーが必要になるため、 その分一般的に狭いケージで飼育される鳥より産卵率は下がりますが、ストレスが少ないため、バランスのよい飼料も助けて病気を滅多にしないらしい。これも健康でおいしい卵を作るための工夫だそうです。
4月からこの友人がつくる野菜や卵を段ボール箱で月2回送ってもらっているのですが、まさかここまでこだわって手間をかけて野菜や卵を作ってい るとは想像しておらず、驚くとともに、ぜひ多くの人に食べてもらいたい、農場に来てもらいたいと思いました。

滞在中に久しぶりに集まった大学の仲間はそれぞれ、地域ぐるみで運営する森の学校を運営していたり、大規模でコメを作っていたりと、地にしっ かりと足をつけて活躍している様子でした。僕も自分の道でがんばろうと気持ちを新たにした次第。結局長くなってしまいました。まだ書きたいこ とはありますがそれはまた今度にします。

山口 敦史


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