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夢の続き

今日はすこし前に友人と話した時の話。

どういう文脈か忘れてしまったけど、「夢の続きがみたいなぁ」と2人で熱心に言い合った。「夢の続きって、なんかいいよね」

夢の続きがみたいと感じるということは、私たちはもう夢から醒めてしまったんだろうか。


最近、過去が全て夢みたいに感じることがある。

人生の半分くらい付き合いがあって、とても親しかった子と、唐突に連絡が取れなくなってしまった。ある夏の日を境に彼女は私の人生からふと姿を消した。

姿が消えてしまうと、今まであったはずの親交すらもなんだか曖昧で、本当にあったのか分からないような気がしてくる。

いや、たぶん、実際、親しいと思っていたのは私の独りよがりだったんだろう。気がつけなくて、本当にごめん。

過去は変わらないはずなのに、後からどんどん変わっていく。本当のことなんて分からなくなる。
起きてから夢の内容がどんどん不鮮明になって、夢に見たことなのか後から自分で考えたことなのか分からなくなっていくみたい。


去年の夏、彼とゾンビ映画を観続けていたのも、今となっては夢みたい。男の人に肩を抱かれても普段は何も感じないのに、彼に抱きしめられている時は妙に心地良くて、それでいて、すこしソワソワしていたこと。なかなか目が合わないから、たまに目が合うとすごく可愛く感じたこと。
そんな過去が本当にあったんだろうか?もう彼の目の色も思い出せない。


突然、前触れもなく断絶してしまって、今に繋がらなくなった過去の続きをみれるなら、夢の中でもいい、続きをみたい、と心の底から思う。


彼女ともう一度だけプリンを一緒に食べたい。時折する心底嫌そうなくしゃっとした顔をもう一度見たい。髪を捻り続ける癖をもう一度みたい。


朝の微睡の中でしか話せないのはとても辛い。だから、もう目は覚めなくていい。夢の続きがみたい。

最後まで読んでくれてありがとう。