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2022年の読書記録で外せない本の話

今年noteに上げさせていただいた記事をちょっと振り返っていて、地味に下書き途中で挫折した記事が数多あることに気づきました。
まあ、よくあることなんですが。
しかし、その中に「2022年に読んだ中で最も印象深かった本」の書きかけ記事が入っていたら、そりゃあかんやろ、となりますわな。

2022年、最も印象深かった本は『歴史とは何か』です。

読むのに1か月以上かかって、その分、書くことをまとめるのにも難儀している間に「もう無理……」となったやつですね。

この本は、歴史とはなにかという命題に対し、E.H.カーが様々な角度から考察する名著です。
カーの主張は突き詰めると

歴史とは、歴史家とその事実のあいだの相互作用の絶えまないプロセスであり、現在と過去のあいだの終わりのない対話なのです。

『歴史とは何か』E.H.カー

となるのですが、そこで納得してしまうことなく、少しでも関わりのありそうな事柄に対しても、考察されています。

個人的には、全体の内容を理解して読めたとは言い難く、一生懸命ついていこうとその主張を追いながら頑張りました! という程度なので、何を書いてもちゃんちゃらおかしいような気がします。(だから、記事を書くのも挫折した)
でも、今年読んだ本の中で、一番読んでよかったのはこの本ではないかと思うんですよね。

この本を読んでから、「歴史について考えていても、結局それは今の視点で考えていることだから」というのを意識するようになりました。
また、歴史の政治的な部分だけに目を奪われるのではなく、社会的・経済的な部分に目を向けなくては、人類の進歩としての近代化に我々はついていけないのではないか、そう思うようになりました。

単に読んで得た知識を語るだけなら、そういうことで終わってしまうんですが、この本の醍醐味はやっぱりカーのぐるぐる回る思考法に付き合っていくことなので、図書館で借りてでも、読んでくださる方が増えたらいいなあと思います。
実際うちの地域の図書館では、この本の在庫が増えてたんですよね、2022年夏に。
要点だけわかればいい、という読書では得られない気づきが、この本では得られます。
だから、2022年一押しのこの本を紹介して、本年を締めくくりたいと思います。ありがとうございました。

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