『光る君へ』第一話・感想

　制作発表から楽しみにしていた紫式部が主人公の大河ドラマ『光る君へ』。
　第一話は様々な「明暗」が描かれた。

• 官職を得られない父親（暗）が、出世（明）する

• 娘が入内した藤原家（明）だが、息子が人を殺してしまう（暗）

• 貧しいながらも漢詩や物語に魅了される日常（明）から、母親を殺されて非日常や不合理を味わう（暗）、まひろ

この明暗が、今後どのように展開していくのか今から楽しみである。

また、宮中の女たちの噂話のシーンは、『源氏物語』の冒頭を思い起こすように演出されていて、これから紫式部が宮仕えするときがおもしろそう。

国仲涼子演じるまひろ（紫式部）の母親が、第一話のラストで藤原道兼（三郎の兄）に斬り殺される展開は、物語の引きが強い。
まひろが、今後、三郎（道長）の兄が母の敵と知ったら……と、視聴者に「どうなっちゃうの！？」と想像させる。

今後、紫式部の書く『源氏物語』という物語も核になるであろうが、すでに一話から「まひろの人生」という物語がはじまっていることに気付かされ、ハッとした。
そうだ、これは紫式部が主人公の大河ドラマだった……（忘れるな）。

そして、大河でどう、創作する者を描くのか。

漫画『神作家紫式部のありえない日々』（D・キッサン）では、宮仕えを始め、兼業同人作家としての活動をする紫式部を現代風かつコメディに描いているが、NHKはどういう風に新たな紫式部像を作り上げるのか。

吉高由里子演じる、まひろがみられる第二話も楽しみ！