処方箋日記「馬鹿一」武者小路実篤

だからこの話には嘘が三乗されているわけで、相当でたらめな話であることは、読む人は覚悟してもらいたいのである。

『ある島の話』武者小路実篤

こんにちは、MEGANEです。
今週は、本屋・ネット・古本といろいろな場所で本を買いました。
すでに読み始めている本もあり、順番にnoteで紹介できればいいな。
直木・芥川賞の発表もあったので、
今週は文豪作品を自分に処方したく、角川文庫の

『馬鹿一』（武者小路実篤・著）

馬鹿一 (角川文庫)

を選びました。

武者小路実篤（むしゃのこうじ　さねあつ）。
普段、本を読まない家族でも「名前は聞いたことある～」と言っていたけれど、「どんな作品書いてるんだっけ？」と首をかしげていました。

実は言うと、私も某ゲームをやっているので「白樺派」の文豪ということぐらいしか知らず、武者小路実篤の作品は一度も読んだことがない。

なにか、武者小路実篤の作品入門はないかな？　と、思いながら
今年のカドブンの小冊子を見ていたら『馬鹿一』を見つけました。
表紙の美しさと短編集ということもあり、私でも読めるかなと。

さっそく本屋で買ったのですが、最初に収録されている『ある島の話』の冒頭数行を読んで、ふんふん、と顔を文庫に突っこむ。
「平気で嘘をつく男」が、「法螺吹きの友だち」に聞いた話を、「覚えのいい方でない僕」に語った話らしい。

「嘘が三乗」という表現を冒頭にそっと持ってくる
武者小路実篤のセンス……

「これは絶対、おもしろい！」

まだ一ページしか読んでいないのに、自分の中のおもしろアンテナにビビッと引っかかりました。

武者小路実篤……おそろしい文豪！！（歓喜）