源氏物語日記(23/10/12)

「皇子の秘密」(紅葉の賀)

物語は二月に。
藤壺の宮は予定のふた月も遅れて、ようやく出産しました。
帝は、源氏の君の赤ん坊のころとそっくりな皇子をみて喜ぶ。
「きれいな赤ん坊は、みな、同じにみえるのかもね」となにも知らずに、源氏の君に皇子を見せます。
源氏の君は胸の奥からさまざまな感情がわきおこり、泣きそうになる。

悲劇のヒロインならぬ、悲劇のヒーロー……いや、恋愛って理性でどうこうできるものじゃないのはわかっているけど、源氏の君はこじらせてるなあ、としみじみ思う。

誰にも言えない苦悩をなぐさめてくれるのは、若紫の存在。
それでも「あなたが大人の女性たちから恨まれないために」と理由をつけて、他の女性のもとに通うのはやめない模様。

「あなたが早く大人になってくれたら、けっして外へ泊りにいったりせず、いつもいつもいっしょにいましょうね。」

「源氏物語」少年少女古典文学館(瀬戸内寂聴・訳)

こんな言葉も、源氏の君にとっては、いつもの口説き文句。
でも、幼い若紫からしたらそれは「夢のような約束」だったのでは?

七月、藤壺は中宮に、源氏の君は宰相に昇格。
帝の正妃になられた藤壺は、ますます高嶺の花に。
ここにきても藤壺への想いが断ち切れず、せつなく悩むこととなる。

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