源氏物語日記(23/09/15)
今朝は少しだけ早起きができた。
けれど、まだまだ眠くて、『源氏物語』を読んでから、布団でうとうとする。
夏の厳しい暑さがやわらぎ、秋めいてきたせいか睡眠欲と食欲が強い。
「方違えの女」(空蝉)
雨夜の宿直の翌日、雨もやみ、源氏の君は葵の上のいる左大臣家へ訪れる。
夫の顔を見ても、葵の上はツンツンしていて源氏の君は「つまらないなぁ」と感じる。
美しい人でも、気位が高い(ようにみえるツンデレ)女を、男は退屈に感じてしまうらしい。
たしかに、私もイケメンを遠くから眺めるのは好きだが、同じ部屋にいて、冷たく「わたしは貴方のご機嫌取りはしませんよ」って態度を取られたら、「どうすればいいんだ」と頭を抱えてしまう。
美しい人って、黙ってると相手に冷たい印象を与えてしまう。
うーん、損だ。
夜になってから「今日は源氏の君にとって、ここは方角が悪い」となり、別の家へ移る(方違え)ことに。
占いが一日の過ごし方を左右する時代って、今思うと大変だな。
疲れていても「方角が悪いから」といわれて場所を移動しなくてはいけないのかあ。
でも、平安時代の人はそれが当然のことだったから「仕方ない」と思っていたのかな? いや、当時でも「占い、占いってうっせーわ!!」と面倒に感じていた人もいたはずだ。
だんだん、そう感じることが「おかしくない」ようになって、現代には根付いていないのだと、私は思う(全然違うかもしれないけど)。
「占い至上主義撲滅委員会」みたいなのがあったのかもしれない。
さて、源氏の君の方違え先は、紀伊の守の家に決まる。
紀伊の守の家は、最近、庭まで手を入れて、
しゃれたつくりに変えたらしい。
短い描写でだが、紀伊の守の家について触れている。
これまた風流な……、と想像してうっとりしてしまう。
『源氏物語』は風流な描写が本当に「美!」って感じがしていい
(語彙力がない)。
紀伊の守の家には、すでに父の家族の女たちが方違えに泊まりに来ていた。
紀伊の守は「失礼があっては……」と辞退したそうだけれど、源氏の君がこのチャンスを逃すはずもなく、結局、紀伊の守の家に泊まることになる。
皆は果物やお菓子を食べたり、お酒を飲んだりと夜を過ごすが、
源氏の君の興味は終始、紀伊の守の継母(紀伊の守の父の後妻)へと向けられる。
「継母」ってところが藤壺を連想させるからかな?
源氏の君は、紀伊の守の若い継母のことが気になって、夜がふけても眠れない。
前の章では「藤壺こそ我が理想の女」みたいに思っていたが、代わりになりそうな女が出てくるとそっちに興味がわいてしまうのは、君の悪癖だよ、源氏の君。
源氏の君なりに、藤壺を忘れるための行動なのかもしれないけど、そこらで見つけた代わりの女性を抱いても、君は「藤壺の宮なら……」と比較して、満足できないだろう。
そこんとこ無自覚だからな~、源氏の君。
気になって眠れないから、紀伊の継母とその弟の会話を
障子越しに盗み聞ぎをする源氏の君、というところでこの節は終わる。
だが、源氏の君のことだから、盗み聞ぎで満足しないよね~って読者はちゃんとわかっている。この後の源氏の行動に注目したい。
明日も読む。
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