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[本のおはなしvol.10 ] 「おべんとうスペシャル!」

春です!東京近辺はお花見の季節は終わってしまいましたが、麗らかな陽気に誘われて、お出かけしたい気持ちが高まってきますね。

心地よい春の風を感じながら、野原にシートを広げてピクニック!のイメージで、記念すべき第10回目の「本のおはなし」はおべんとうスペシャル!と題して、私、扇谷一穂と松尾由佳さん それぞれがお勧めする「お弁当と言えばこの本!」というところを、熱い気持ちでおはなししました。
(「本のおはなしvol.10」が終わって、この原稿を書いている時点で東京近辺に緊急事態宣言が発令されました。通常通りにとはいかないですが、お弁当の絵本のお話で少しでも楽しい気持ちになっていただければ。と言う気持ちで「本のおはなし side B」お届けいたします。)

「おべんとう」というテーマでまず思い浮かんだのは、この本。
『おべんとうしろくま』娘が大好きな本なのです。

松尾由佳さんと二人で、この「本のおはなし」をすると決まってから、娘に「なんで『おべんとうしろくま』を紹介しないのー」を言われ続けていたので、満を持して今回紹介できてホッとしています。

この『おべんとうしろくま』構成はいたってシンプル。見開きで展開されるお弁当のどこかに、しろくまくんがいる!いや、しろくまくんがお弁当になっている!
このしろくまくんシリーズは、お弁当の他に、『おいしそうなしろくま』『あま〜いしろくま』『うみのごちそうしろくま』などなど、現在6冊のシリーズがあるのですが、このしろくまくん、きつねうどんやオムライスなど、確かにちょっと気持ちが分からないでもないなあと思うものから、サバ缶やサンマの塩焼きなど、後々の臭いが心配になりそうなものまで様々な食べ物に果敢にトライしているのです。
美味しいものが好きすぎて、食べるということに飽き足らず、もうその食べ物そのものになってしまおう!という、ちょっとシュールでおもしろい絵本です。

以前、娘と行った『デザインあ展』にあったインスタレーション「梅干しの気持ち」で梅干しの場所から顔を出してみて、この『おべんとうしろくま』のことを思い出したり。

お弁当と言えば!の本で、次に松尾由佳さんが紹介してくれたのが、
『おでかけのまえに』

お弁当の準備をせっせとしているお母さんの傍、「手伝ってあげるね」と具材を詰めてくれた結果..。 あー!と言う状況にも淡々と優しく対処して、最終的にピクニックにちゃんと出かけられているお母さんの姿、尊敬の眼差しで見てしまいます。

そして、「本のおはなしvol.1」で紹介してくれた『こんとあき』の駅弁も。

この「あげどんべんとう」を食べている二人の姿もかわいらしいですが、なんとこのお弁当、プリンらしきものが…!?卵とおあげがのっているようなご飯とプリン!これは食べてみたい〜!


次に私が紹介したのが、『ペンギンきょうだいれっしゃのたび』

この絵本も、娘が好きな絵本です。
「切符を無くしちゃった!」など、列車の旅にまつわる悲喜こもごもがありながら、列車の旅の楽しみは、やっぱりお弁当!駅弁を売っているスタンドでいろいろな駅弁が売っているのを眺めつつ、ペンギンきょうだいの選んだお弁当が後のページでわかるのもうれしい。かわいいペンギンのきょうだいと一緒に旅をしているような気分になれる、楽しい絵本です。

おべんとうスペシャル、最後はやっぱりお花見弁当!と言うことで、松尾由佳さんが紹介してくれたのは、『おべんとうだれとたべる?』

くまさんの夏のお弁当、おばあちゃんの秋のお弁当、ネズミさんの冬のお弁当。お弁当を作る様子から、誰と、どこで食べるかまで。そう、お弁当は誰とどこで食べるかも重要ですね。最後はたくさんのおにぎりを準備して、みんなを誘って桜の下でお花見弁当!
最初と最後に空っぽのお弁当箱の絵と、様々な中身の絵。切り抜いてお弁当ごっこも楽しめる絵本です。

安西水丸氏に師事したと言う作者のあずみ虫さん。
最後のお花見弁当をみんなで食べるシーンは、「本のおはなしvol.4」で紹介した『ピッキーとポッキー』(嵐山光三郎 作 安西水丸 絵 )にも通じるものがあります。

最後は『ピッキーとポッキー』のすみれのサンドイッチ、なのはなサラダ等、子どもの頃に憧れたお弁当の話をして、あっという間の30分。

「本のおはなしvol.10」インスタライブへと場所を移して、本の表紙などを見て頂きつつお話出来るのも楽しいなと思い始めています。

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さて、おべんとうスペシャルの今回に合わせて選んだ子守唄は、というと。インスタライブで画像が映るということもあって、初の手遊び歌を選んでみました。

「おべんとうばこのうた」
作詞:香山美子
作曲:小森昭宏

これっくらいの おべんとばこに 
おにぎり おにぎり ちょいとつめて
きざみしょうがに ごましおふって 
にんじんさん さんしょうさん 
しいたけさん ごぼうさん
あなのあいた れんこんさん
すじのとおった ふ~き

歌い終わったところで、「さんしょうさん?」という議論が。
そうなのです。この歌の歌詞は、時代によって「さんしょうさん」が「さくらんぼさん」へと変化したり、なんと「おにぎり」が「サンドウィッチ」に変化したりと、様々にアレンジが成されて歌われている様子。
1978年にリリースされた「おべんとうばこのうた」レコードの時代からの食生活の変化がそこに反映されているのかもしれませんね。

「本のおはなしvol.11」次回はGWお休み明け、5月6日12時30〜インスタライブでお会いしましょう!

「本のおはなし」instagramのリンクはこちらから
Kazuho Oogiya
Yuka Matsuo









 



  





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