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【読書記録】原田マハ「暗幕のゲルニカ」 

 今回は原田マハの作品「暗幕のゲルニカ」を読みました。

  皆さんは『ゲルニカ』という絵画を知っていますか?  私もこの作品を読むまでは『ゲルニカ』と言われてパッと頭に思い浮かぶ,、なんてことはなかったのですが、おそらく一度は見たことがある、とても有名な作品になっています。この物語では『ゲルニカ』をめぐる事件と、『ゲルニカ』執筆時のピカソの様子が同時並行で語られていきます。

👉こんな人におすすめ
・美術作品に興味がある!
・ライト感覚でミステリを読みたい
・何か面白い小説を読んでみたい

  この作品は先ほども述べたように大きく分けて二つの章に分かれておりそれぞれ現代の『ゲルニカ』をめぐる話と『ゲルニカ』制作時の話が並行して語られていきます。現代の物語の舞台はNY。9.11の悲劇が絡んでくるライト感覚ミステリになっています。一方『ゲルニカ』制作時の話は舞台はもちろんパリです。美しい場所ではあるものの時代はそうではなかったようです。どのような状況の中でピカソがいかにして『ゲルニカ』を制作したのか詳しく知ることができます。

  私は美術に関しては全く知識がないのでこの物語がどれほど事実を基にして書かれているのかは判断しかねるのですが、いずれにせよ一枚の絵画が持つすさまじい力に驚かされます。『ゲルニカ』は第2次世界大戦中のゲルニカ爆撃の様子を描いたことで有名ですが、その絵はあらゆる人々に衝撃を与えます。それゆえ政治的に利用されたり、富豪たちのパワーゲームに使われたりとこんなにも世界を巻き込んだ影響を与えられるものは多くはないと思います。改めて芸術というものがこの世に存在する意味やそれをどのように使っていけばよいのか考えさせられました。

  もちろん文学作品としても非常に完成度の高いものになっています。様々な謎がだんだんと解き明かされていき、二つの異なる時代を同時並行で追っていけるからこそ生まれてくる面白さも感じられます。また、それぞれ舞台がニューヨークとパリという、少なくとも私にとってはあこがれの場所というのもワクワクされられるポイントになります。そこまで都市の描写があるわけではないですが、異国の雰囲気を感じられるのはこの作品の読んでいて面白いところの一つでしょう。

おわりに

  今回は原田マハの作品を読みました。私が全く無知の美術分野なのですが面白く読むことができました。『ゲルニカ』一度は見てみたいですね。私は本物ではないのですが、以前に徳島県にある大塚国際美術館で実寸大のレプリカを見たことがあります。その時はこの小説と出会ってなかったのですがやはり迫力と力を感じる作品でした。是非この作品を読んだ方は、絵も見てみてください!


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