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【読書記録】村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」 

 今回は村上春樹の作品「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読みました。

  4月13日(つまり執筆日!)にまた新たな長編が発売されるということで村上春樹気分を高めるために再読です。残念ながら新歓を買う余裕はありませんが、、もう3年近く読んでいなかった作品なので新たな気持ちで読むことができました。

👉こんな人におすすめ
・村上春樹ワールドに染まりたい
・長い小説を読みたい気分
・食欲ある人が好きな人

  

  さて、この作品ですが世界観が圧巻です。この作品では冒頭から二つの章に分かれています。一つ目が『ハードボイルド・ワンダーランド』でもう一つが『世界の終り』です。この二つの章が交互に出てきてそれぞれ話が展開していくという構成になっています。このタイプは村上春樹がよく使う手法の一つで『1Q84』や『海辺のカフカ』でも似たような構成になっています。

  そしてその二つとも世界観が面白いのです。一つ目の『ハードボイルド・ワンダーランド』はどちらかといえば現実世界に近いのですがよく読むと現代の社会とは少し違った仕組みであることがわかります。その仕掛けもなんだかワクワクするものになっています。世の中の多くの方が一度はあこがれたことがあるであろう地下の秘密基地、そしてそこで行われる怪しげな研究。なんだかありきたりな設定なようでも村上春樹の手にかかれば独特の世界観でさらに魅力的に描き出されます。

  一方『世界の終り』の方はどちらかといえば空想の世界になります。個人的にはファンタジーのような雰囲気も感じさせる、どことなくふわっとした感じの世界になります。こちらの世界では不思議な法則によって社会が構成されており、ミステリアスな感じが魅力的です。

  この二つの世界がどのように繋がっていてそしてどのような結末を迎えるのか、最後まで目が離せない作品になっています。

  この作品をはじめに読んだときには正直に言って意味があまりわかりませんでした。全体的に話は唐突に進んでいき、きっちりと理論立てて理解することはおそらく不可能でしょう。ただこの作品から感じられる独特の雰囲気と現代社会に通じる漠然とした不安感を感じることは十分にできます。僕もやはり生きていくためには心が必要だと思うし、完全な世界なんて存在しないしつまらないと思います。そんなことを感じた作品でした。

おわりに

  皆さんお久しぶりです。しばらく筆をとっていない時期が続いてしまいました。簡単に説明しますと、
春休みになった→サークルの活動で海外へ→海外でパソコンが故障→新学期の準備でバタバタという流れになり全然記事を書くことができませんでした。  また4月になって落ち着いてきたので再開しようと思うのでよろしくお願いします。

  そして本日(4月13日)は村上春樹の新刊の発売日になります。この記事を読んでくださっている方の中にはもうすでに読んだ方もいらっしゃいますかね?  お金がたまって余裕ができたら買おうと思います。

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