見出し画像

一度見たら忘れられない名画たち|東京国立近代美術館「あやしい絵展」

旬・美・遊」では旬のおでかけ情報をはじめ、気になる新刊や新商品、見逃せない展覧会や伝統的なお祭といったご当地の話題など、さまざまなトピックをお届けします。(ひととき2021年4月号より)

  東京国立近代美術館で、「あやしい絵展」が開催される。〝あやしい〟とは、「怪しい」「妖しい」「奇しい」。普通ではない美しさや儚さを備えたようすを描いた作品を集めたユニークな展覧会だ。

画像2

上村松園「花がたみ」1915年、松伯美術館蔵(展示は4/20〜5/16)

 会場に並ぶのは、幕末を生きた河鍋暁斎(かわなべきょうさい)の地獄絵、大正時代に人気を博した高畠華宵(たかばたけかしょう)の退廃的な少女のイラスト、一度見たら忘れられない、強烈な風貌と眼差しの女性を描く甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)や橘小夢(さゆめ)の作品。西洋画では、19世紀末に活躍したアルフォンス・ミュシャやロセッティなど、愛や欲望を表現テーマにした画家の名作も並ぶ。

画像1

高畠華宵「『少女画報』大正14年8月号表紙」1925年、弥生美術館蔵(展示は〜4/18)

 激動する時代を生きた画家たちの筆には、社会に蔓延する不安や生きる欲望への強い関心、新しいジェンダー像を描くことへの挑戦が見て取れる。「あやしさ」が生まれた時代背景や文化の諸相を掘り下げていくと、美醜の問題を超えた絵の魅力が現れてくる。

あやしい絵展(3/23〜5/16)
東京都千代田区・東京国立近代美術館
(東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩約3分) 
☎050-5541-8600
https://ayashiie2021.jp/

出典:ひととき2021年4月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細は事前に現地にお確かめください。



よろしければサポートをお願いします。今後のコンテンツ作りに使わせていただきます。