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江戸末期以来の大工事竣工記念に開催される「裏千家の茶室建築」展(京都 茶道資料館)

旬・美・遊」では旬のおでかけ情報をはじめ、気になる新刊や新商品、見逃せない展覧会や伝統的なお祭といったご当地の話題など、さまざまなトピックをお届けします。(ひととき2021年3月号より)

 千利久を初祖として、茶の湯の根本「和敬清寂(わけいせいじゃく)」の心を実践し、茶道の伝統を守りながらその素晴らしさを世界に発信し続ける裏千家。2020年夏、千家三代宗旦(そうたん)が隠居する際に構えた今日庵(こんにちあん)、又隠(ゆういん)といった茶室群を含む裏千家住宅(国指定重要文化財)の保存修理工事が竣工した。江戸時代末期以来の大規模工事を機に、裏千家の蔵品を展示・公開している茶道(ちゃどう)資料館で、「裏千家の茶室建築」展が開催されている。

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黒楽「今日庵」文字文茶碗 樂道入作(今日庵蔵)

 本展では、「寒雲亭襖絵」(伝狩野探幽筆)などの茶室に関係する作品、江戸時代に描かれた今日庵の屋敷図面などによりその歴史を紹介。また、歴代家元が敷地内の樹木で制作した茶杓などの茶道具や、十一代玄々斎の時代(江戸時代末期から明治時代)に邸内の窯で焼かれた「御庭焼(おにわやき)」の茶碗も展示される。裏千家の全容、茶室建築に込められた職人たちの技と心に触れられる貴重な展覧会だ。

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今日庵千氏惣図画模 (部分、今日庵蔵)
「裏千家の茶室建築─重要文化財裏千家住宅及び茶室保存修理工事竣工記念─」展(〜3/31)
京都府京都市・茶道資料館(地下鉄烏丸線鞍馬口駅から徒歩約15分) ☎075-431-6474
http://www.urasenke.or.jp/textc/gallery/tenji/

出典:ひととき2021年3月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細はお出かけの際、現地にお確かめください。





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