“世界一ちょうどいい”初心者向け仏像本(お笑い芸人・みほとけ)
こんにちは、仏像をこよなく愛するお笑い芸人・みほとけと申します。
著者・田中ひろみ先生とは公私ともに仲良くしていただいてまして、共に古今東西の仏像をめぐる仏友です。
私は仕事で仏像のトークショーなどさせていただくのですが、必ずと言っていいほど「仏像の初心者なんですが、おすすめの本ありますか?」と聞かれます。
私は声を特大にしてこう言うでしょう。
「田中ひろみの『仏像イラストレーターがつくった 仏像ハンドブック』を買ってください」と。
もう私からプレゼントしたいぐらいです。
さて、本書を一言で表すならば「ゼロからイチへ階段を登るのに世界一ちょうどいい仏像本」です。
情報量、読みやすさ、網羅力、イラストの可愛さ、信頼性という5角形パラメーターがあるとするならば、きれいに満点で5角形に色がつくのではないでしょうか。
この厚み1cmほどの本書にこんなに情報が!?と驚くのですが、私はこの情報量とともに、田中ひろみの”まとめ力”に腰をぬかされることとなるのです。
42,43 ページ、涅槃図のイラスト解説にご注目ください。
涅槃図、お釈迦様の人生の最後の時。非常に重要であり、仏愛好家の心くすぐるストーリーがたくさん込められている1枚です。
しかしあまりに要素が多いため、絵図の概要を知るには糸口が見つけにくく、予備知識が結構必要です。
本人は「ここは大変だったのよ〜。涅槃図って作品ごとに描き方全然違うじゃない〜。だから一般的な涅槃図ってのが難しくて〜。あと絵が細かいのよ〜。」と語っていました。
大変な中、よくぞここまでわかりやすく解説してくれたものだなと。
理解への糸口がたくさん示され、初心者を導いてくれているのです。
あっぱれです。
続いて 96,97 ページの漫画にご注目ください。
見開き1ページで弘法大師・空海の人生が描かれていますが、これはおそらく、世界最速で弘法大師空海の人生をさらえる漫画と言えましょう。
そして簡易的で網羅的な”ちょうどいい”情報量なのでございます。
例えば4コマ目。
「ヒゲモジャの男性の口に向かって星がピョイーンと飛んできている」コマ。
これは18歳の空海さん(まだ空海と名乗る前)が精神力も体力も極限まで磨耗する過酷な修行を洞窟で行ったのちに、口の中に明星が入ってくる、象徴的なシーンです。
そこで仏様の智慧を体感した時、洞窟から出て見えた景色が”空”と”海”だった……といういかにもドラマチックで、このシーンのために1つの映画が撮れそうなところです。
それを「ヒゲモジャの男性の口元に向かって星がピョイーンと飛んできている」1コマで描いたのです!
このくらい短くしないと、後の空海さんが成し遂げた偉業を説明するにはコマが足りなくなってしまうのでね。
田中ひろみの思い切りと潔さに脱帽です。
これ以外にもさまざまな開祖や聖徳太子、もちろんお釈迦様の一生など、仏像の理解に欠かせない人物のヒストリーが漫画で描かれるのですが、上記に語ったことが全てに通じています。
ネット上で有象無象に溢れる情報が無料で手に入る時代です。
でも、”ネットで調べればいいじゃん”の中に秘められている、検索力・スピード力・正しいかを判別する力などさまざまな工程を考えると、この 1 冊が 1760 円。安いと感じずにはいられません。
ひろみちゃん、すごいよ!
はい、偉そうに語らせていただきました。
最後に、仏像の世界の入り口に立った皆様に、私からおすすめのイケメン仏像様をご紹介します。
東大寺戒壇堂にいらっしゃる四天王像のうち、広目天さまです。
お写真がこちら
あっすみません、その広目天様をものまねする私の写真でお届けしました。
私みほとけ の特技であり、趣味の”仏像ものまね”でございます。
仏像の質感を新聞紙で表現し、ポーズと表情にも拘りました。
気になった方は是非、本書の19ページで田中ひろみのイラストでご確認くださいませ。
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最後まで読んでいただき有り難うございました。
文=みほとけ
みほとけ
2015年アイドルとしてデビューし、2016年ミス鎌倉を1年間務めた。愛してやまない仏像・お寺の面白さを発信するべく、自身を本名の「みほ」と「ほとけ」を掛け合わせ「みほとけ」と名乗り2018年アイドル卒業後、ピン芸人として再デビュー。仏のモノマネやネタを作る傍ら、大学時代に取得した看護師の資格を生かし、広報誌「厚生労働」では取材レポーターとしても活躍するなど、ルックスと頭脳を生かして多方面で活躍中。
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