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【木曽川堤(サクラ)】全長47キロの大堤防沿いの桜並木で古木と若木が競演(愛知県一宮市・江南市)

「名勝」とは、日本における文化財の種類の一つ。本連載では国指定名勝の庭園、峡谷、海浜、瀑布などを、臨場感あふれる撮りおろし写真で紹介します。旅に出たような気分で、日本の美しい景勝地の数々をお楽しみください。(ひととき 2020年4月号「名勝アルバム」より)

 江戸時代、徳川家康の命により、木曽川左岸に全長約47キロの大堤防が造られた。1884年(明治17年)、洪水で堤防の一部が決壊すると、翌年、再建に際してエドヒガン、シダレザクラ、ヤマザクラの3種の桜が植樹されたという。およそ1800本の苗木は数十年の歳月を経て成長、一帯は桜の名所として一躍有名になった。

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 その後、災害や病虫害の影響で400本余りまで激減したが、植樹を追加。2001年には挿し木で増やした「二世サクラ」も加わって、往時を偲ばせる桜並木が復活した。

「現在はソメイヨシノも一部含まれていますが、ツインアーチ138(いちさんはち)*周辺に樹齢100年を超える古木が多く現存します。多様な桜を一度に鑑賞できるのも、木曽川堤の魅力です」と、一宮市商工観光課の神戸(かんべ)真紀子さん。

 家康の命に端を発する歴史ある堤防沿いで、風格を備えた古木と活気あふれる若木が、今年も艶やかな競演を見せる。

*高さ138メートルの美しい2つのアーチを持つ展望タワー(写真右奥)

山本典義=写真

◉名勝指定 1927年(昭和2年)8月11日
愛知県一宮市北方町~江南市草井町 
一宮市経済部商工観光課観光交流グループ
☎0586-28-9131
国の「名勝」と「天然記念物」に指定されている木曽川堤。一宮市北方町から江南市草井町まで堤防沿いに桜並木が続く。一宮市では毎年、「一宮桜まつり」を開催。
【追記】令和3年の「一宮桜まつり」は4月10日㈯まで開催。詳細はお出かけの際、ホームページをお確かめください。
http://138ss.com/new_news/21sakura/sakura.html

出典:ひととき2020年4月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細はお出かけの際、現地にお確かめください。


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