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“私が仏像に恋した理由” 仏像イラストレーター・田中ひろみ

このたび、仏像を見るためのコツを楽しく詰め込んだ便利帖仏像イラストレーターが作った 仏像ハンドブック(田中ひろみ 著・ウェッジ)が刊行されました。

仏像拝観が好きでたまらない人、拝観してみたいビギナーに向けて、仏像イラストの先駆者である田中ひろみさんが、“仏像旅”のコツや、仏像を前にしたときの必要な知識(仏像の種類や手にする道具、装飾など)のキホンを、漫画とイラストで紹介。

仏教の世界観や仏像そのもの、お寺の配置など、ちょっとした知識が増えるだけで、仏像拝観は10倍、20倍の深さと面白さに変化します。

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それでは、書籍に収録されている冒頭の「漫画」と「まえがき」を転載しますので、ぜひご覧ください!

✑私が仏像に恋した理由

まんが10

まんが20

まんが30

まんが40

✑まえがき

 お寺や博物館で、お会いする仏像。私が2007年に仏像大好き!(小学館)という本を出したとき、友人からは「なんか怪しげな宗教にはまってるんじゃないの?」と、当時は仏像好きというだけで奇異な目で見られがちでした。でも、2009年に上野の東京国立博物館で開催された「国宝 阿修羅展」以降、「私も仏像が好き」という人が急に増えた気がします。もちろん以前から、仏像好きな方はいましたが、それを口にしやすい雰囲気になりました。「国宝 阿修羅展」というのは、それほどエポックメーキングな展覧会だったのです。

 また、私が代表をつとめる女子限定の仏教レジャーサークル「丸の内はんにゃ会」。2007年に〝みんなで写経に行こう!〟という、企画から始まったグループです。現在、会員数は700人を超えました。会を始めた当時は今ほど「写経」という言葉もメジャーではなく、友達に「写経に行こうよと」誘っても「?」と怪訝な顔をされたものです。今では、多くの方がお経を写す「写経」をし、「仏画」をなぞる「写仏」を楽しんでおられます。私は家で気軽に「写仏」ができるようにした「仏像なぞり描き」の本を多数出版させていただきました。仏像やお寺を身近なものとして感じていただけたら、うれしく思います。

 今、日本回帰のブームが続いていると思います。

 考えるに、バブルの時は海外旅行したり外に向いていた目線が、バブルが崩壊し、元から日本にある神社やお寺に目が向いたのだと思います。

 お寺にはいつも清浄な空気が流れ、癒しの空間が広がっています。そしてそこには、いつも私たちを見守ってくださる仏さま(仏像)がいます。友達や彼氏とは違い相手の都合に合わせなくても、会いに行けばいつでもそこにいてくださるのです。悲しい気持ちのときは、慈しみのお顔。つらいときは、励ましのお顔に見え、私たちの気持ちに寄り添ってくださいます。いまの時代、そんな仏像に惹かれる方が増えたのではないのかな、と勝手に思っています。

 仏像に興味がないと、仏像はどれも同じように見えます。でも、仏像も人間と同じように一体一体違いがあるのです。会社のように地位や組織もあります。

 この本は、仏像のモデルになったお釈迦さまのことや、仏像の種類や特徴、手の形、台、持ち物。また国宝の仏像、守り本尊、巡礼、など多岐にわたり、イラストや漫画でわかりやすく解説しています。

 そのような、仏教世界の考え方を知ってから仏像を拝観すると、ぱっーと視野が広がり、仏像がこの世にある意味を理解することができるのです。

 ぜひ、この本を読んで、仏像に会いに行ってくださいね。

 田中ひろみ

✑目次

目次

本書には、こうした可愛らしいタッチの漫画が17編収録されており、仏教や仏像についてやさしくナビゲートしてくれます。書店で見かけた際は、ぜひお手に取ってご覧ください!

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◉『東京・鎌倉仏像めぐり』 田中ひろみ 著

◉『東海仏像めぐり』 田中ひろみ 著

◉『仏像に会う―53の仏像の写真と物語』 西山 厚 著

◉ひととき2020年11月号特集「古都もみじ 仏像の奈良、庭の京都」


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