小器用な者ほど大きな智恵を持たない|『超約版 家康名語録』より(1)
小器用な者ほど
大きな智恵を持たない『名将言行録』
これは、家康がまだ幼名の竹千代で呼ばれていた頃、尾張国清須の町で発したとされる名言である。
竹千代は三河国の有力国衆・松平氏の当主で岡崎城主・松平広忠の子としてこの世に生まれた。そんな彼は六歳の頃、駿河・遠江の両国を支配して三河にも強い影響力を持っていた、今川義元のもとへ人質として送られることになったのだ。
では、なぜ尾張にいたのか。実は、三河国田原の城主・戸田康光という人が、送られる最中の竹千代を連れ去り、反対側の尾