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地元にエール これ、いいね!

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日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験で…
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#手漉き和紙

知恵と工夫で和紙の隆盛期を築いた土佐和紙(高知県吾川郡いの町)

高知県いの町で「土佐七色紙」という名の美しい紙が生まれたのは戦国時代末期のこと。桃色、柿色、浅黄色とさまざまに染め上げられた、しなやかで丈夫な紙だ。七色紙をきっかけに土佐では製紙が盛んになり、やがて一大産地となっていく。いの町が「土佐和紙発祥の地」と呼ばれる理由である。七色紙の製法は失われたが、「いの町紙の博物館」では現代の研究により復元、展示している。 「伝統を繋いでいきたい。紙漉きの家に生まれたんですから」  手漉き和紙職人・尾﨑伸安さんが力強く簀桁を振る。この大型の

【水うちわ】水に浸けると透き通る 美濃手漉き和紙(岐阜県岐阜市)

日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験できないお祭など、心から「これ、いいね!」と思える魅力的なモノやコトを、それぞれの物語と共にご紹介します。(ひととき 2020年8月号より)  岐阜県中央部を南流する長良川。この川のせせらぎは当地に住む人々の心を癒やすと同時に、多様な文化を生み出してきた。そのひとつが「鵜飼(うかい)だ。かがり火を川面