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地元にエール これ、いいね!

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日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験で…
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#和紙

【岐阜和傘】城下町に花咲く、モードな伝統工芸(岐阜県岐阜市)

 鵜飼で知られる長良川のほとり。かつて上流域から名産の和紙や木材が運ばれた川湊、今も問屋街の情緒が残る川原町の一角にある「和傘CASA」は、県下でも珍しい岐阜和傘の専門店。和傘といえば京都や金沢の印象が強いが、実はシェア日本一は岐阜。さらに近年、伝統の技にモードな感覚を加味したデザインが、海外でも注目を浴びたり、雑誌の撮影に使われたりと、「岐阜和傘」は若い世代からの人気も上昇中なのだ。  雨粒が和紙を叩くリズミカルな音、日差しは遮りながら柔らかな光を通す日傘の心地良さ。自然

【飯田の水引】思いをつなぎ、心を結ぶ日本独自の文化(長野県飯田市)

 ハレの日を華やかに、豪華に彩る水引。飯田は江戸時代から、水引の一大産地として知られる。  気候は温暖で楮や三椏*が豊富にとれ、また天竜川の清流など名水に恵まれていたことから古くより美しく丈夫な和紙がつくられていた。その和紙を使い研究を重ねて生み出された、高品質の真っ白な元結は、江戸のみならず全国を席巻し、さらにさまざまに染め分け水引がつくられるようになった。  そう、水引は紙でできている。紙を縒って長く長く延ばした一本の〝こより〟。それを色とりどりに幾重にも結んで形をつ

香りの始まりの地・淡路島で生まれた和紙のお香

日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験できないお祭など、心から「これ、いいね!」と思える魅力的なモノやコトを、それぞれの物語と共にご紹介します。(ひととき2020年2月号より) 「これがお香?」小さな陶皿の上でほのかに香る和紙の木の葉。一枚一枚、葉脈まで繊細に刻まれ、ずっと眺めていたくなる美しさだ。 和紙のお香HA KO。葉先に点火する