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地元にエール これ、いいね!

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日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験で…
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#私のイチオシ

【若狭のお箸】若狭の美しさを表現した現代の箸づくり(福井県小浜市)

「御食国」として都に豊かな食材を運んできた福井県小浜市は現在、箸の一大生産地として栄える町。全国に流通する塗箸の8割がここで生まれているという。その背景に、400年以上の歴史をもつ伝統工芸品・若狭塗があることは間違いない。かつて漁師が副業として若狭塗の箸づくりをしていたことが、箸産業のルーツのひとつだ。 「若狭塗の模様は、卵殻と貝殻、松葉や菜種などの自然素材で描いていきます。色漆を塗り、金箔を置き、さらに漆を塗り重ねます。その後、研ぎ出しによってきらめく模様を出すのが若狭塗

【高岡の風鈴】鋳物師が作り出す音の美(富山県高岡市)

そよ風に乗って聞えてくる風鈴の音は、夏の音色だ。澄んだ音とともにひとしきり涼しさを運んでくれる。 風鈴はガラス製品をはじめ全国各地にあるが、富山県高岡市で作られるのは伝統的な鋳造法による鋳物の風鈴だ。高岡は、加賀藩主だった前田利長が隠居後に造った城下町。利長は鋳物造りを誘致、手厚く保護した。400余年を経て、現代では銅の合金を用いた鋳物による仏具生産量が日本一を誇る鋳物の町となった。 製品の開発から販売までを行うメーカーの能作は、4代目の前社長・能作克治さんが手がけた真鍮

あなたのまちの「これいいね!」を発表します#3|月刊誌「ひととき」創刊20周年記念企画

2021年3月20日~7月20日まで、ひととき本誌やツイッター、インスタグラム等で、あなたのまちの”知られざるいいもの”を募集しました。風景や食、イベントなど約530の素敵な情報をお寄せいただき、心より感謝申し上げます。ひととき編集部が選定した計9点の写真のうち、最後の3点を発表いたします。(ひととき2022年4月号より) 巌門 山口県周防大島町 gonkenbuuさん 「周防大島は海、岩、空、すべて綺麗な場所。このときは巌門、立岩、岩屋権現、帯石観音という4つの奇岩を