マガジンのカバー画像

地元にエール これ、いいね!

76
日本全国の“地域の宝”を発掘する連載コーナー「地元にエール これ、いいね!」。地元の人々に長年愛されている食や、伝統的な技術を駆使して作られる美しい工芸品、現地に行かないと体験で…
運営しているクリエイター

2023年6月の記事一覧

【焼鯖そうめん】若狭から運ばれる鯖がもたらした長浜のソウルフード(滋賀県長浜市)

滋賀県長浜市のある琵琶湖北東部一帯は、湖北地方と呼ばれる。福井県の若狭で獲れた海産物を運ぶ鯖街道は湖西のルートが知られるが、敦賀から湖北一帯へも若狭方面の魚介が多くもたらされた。 「昔からこの土地では、鯖をよく食べてきたんです」と話すのは、翼果楼の辻郁子さん。しかも「西の鯖街道は酢締めでしたが、湖北には焼鯖が運ばれてきました」と。脂ののった鯖を竹串に刺して一本丸ごと焼き上げた〝浜焼〟で、春の農繁期には農家へ嫁いだ娘に焼鯖を贈ってねぎらう「五月見舞い」の風習が根付いていた。「

【津軽びいどろ】華やかに美しく青森の風景を映し出すハンドメイドガラス(青森県青森市)

 ガラスに浮かぶ、とりどりの色彩が目を楽しませる「津軽びいどろ」。工場を案内してくれた北洋硝子の社長・壁屋知則さんは「伝統工芸品の津軽びいどろは、職人の高い技術力と長年の研究で培われてきたオリジナルの色の豊富さが特徴です。青森の地域性を色に落とし込み、デザインを掛け合わせてプロダクトを生み出しています」と話す。  北洋硝子は1949(昭和24)年、陸奥湾でのホタテ養殖をはじめとする漁業に欠かせないガラスの浮き玉を作る会社として創業した。  浮き玉は、「宙吹き」という技法で