【焼鯖そうめん】若狭から運ばれる鯖がもたらした長浜のソウルフード(滋賀県長浜市)
滋賀県長浜市のある琵琶湖北東部一帯は、湖北地方と呼ばれる。福井県の若狭で獲れた海産物を運ぶ鯖街道は湖西のルートが知られるが、敦賀から湖北一帯へも若狭方面の魚介が多くもたらされた。
「昔からこの土地では、鯖をよく食べてきたんです」と話すのは、翼果楼の辻郁子さん。しかも「西の鯖街道は酢締めでしたが、湖北には焼鯖が運ばれてきました」と。脂ののった鯖を竹串に刺して一本丸ごと焼き上げた〝浜焼〟で、春の農繁期には農家へ嫁いだ娘に焼鯖を贈ってねぎらう「五月見舞い」の風習が根付いていた。「