【五島のかんころ餅】焼くことで味と香りがぐんと深まる、ほっとする味わいのさつま芋スイーツ(長崎県五島市)
「かんころ餅」は五島列島(以下、五島)に古くから伝わる郷土菓子。さつま芋を薄く切って茹でて、寒風にさらして干したものを「かんころ」と呼ぶのだそう。これを湯で戻し、蒸したもち米と混ぜ合わせて、形を整えれば完成だ。
江戸時代、五島藩の開拓移民政策により、九州本土の大村藩から3000人を超えるキリシタンが五島に渡った。彼らは旧来の集落から遠く離れた山の斜面や入江に根を下ろした。山の斜面は米作りには適さないが、さつま芋はよく育つ。ゆえにさつま芋を主食とし、保存の工夫からかんころ餅