昔も今も変わらない「凶事」を避ける手立てとは?
不思議な花が咲くこともある。
場所は古都奈良の御蓋山(みかさやま)のふもとに鎮座する春日大社。日本の最高の貴族である摂関家の氏神をまつったあの神社である。その春日大社につかえる神主の日記『中臣祐賢記(なかとみのすけかたき)』弘安三(1280)年八月三日の条に、奇妙な報告書が書きあげられている。銀花が咲いたというのである。その報告は詳細をきわめ、春日大社を構成する四つの神殿と若宮御殿のすべてにわたって、咲いた柱と、その花の本数が書きあげられている。
もっとも銀花といい