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飛騨さんぽ

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紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴っていきます。
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#フォトエッセイ

日々の暮らしに薬草を|飛騨さんぽ

「この季節がいちばん好き」 そう語る地元の人も多いのがこの新緑の5月。 私が初めて飛騨に訪れたのも5月だった。たまたま仕事関係で飛騨の方とお話する機会があり、冬景色もいいけどGW明けの新緑の季節がとっても美しいからそのタイミングがおすすめと言われたのがキッカケ。 5月が近づくと、長く厳しい冬が明けるのを今か今かと待っていたかのように飛騨の樹々や植物たちが一斉に芽吹き始める。山々が美しい緑に衣替えし、見ているだけで心が満たされる。 そしてこの生命の芽吹きは、森の恵みの楽

GWに訪れたい!大自然や太古の歴史に触れるスポット3選|飛騨さんぽ

今年の冬はかなり厳しく、「これでもか!」とばかりに分厚い雪に覆われていた街も、4月に入るとあっという間に雪解けが進みすっかり春めいてきた。とはいえ、朝晩はまだ0℃まで下がるような日も多い。(飛騨では6月くらいまでストーブを片付けられない。これは移住して驚いたことのひとつ) みなさんが暮らしている地域はいま、どんな春を迎えているだろう。 さて、今回はGW間近ということで、この時期におすすめの飛騨のスポットをご紹介したい。 1.池ケ原湿原~ 40万株のミズバショウが咲き誇る

春の訪れを告げる音。230年の伝統を灯す和ろうそく|飛騨さんぽ

「飛騨さんぽ」は、紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴る連載です。第4回は、飛騨古川の地で230年の伝統を受け継ぐ「和ろうそく」について。  春の訪れを感じる音がある。  しゃかっ、しゃかっ、とん、ととん。  和ろうそくづくりの音だ。 ※この動画は作業の様子を再現していただいたものです。音声をONにしてご覧ください。  飛騨古川には江戸時代から約230年続く“三嶋屋和ろうそく店”がある。その趣きある

ご挨拶に、日本酒。|飛騨さんぽ

「飛騨さんぽ」は、紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴る連載です。第2回は、飛騨古川の人々がこよなく愛する地酒について。  冬になると、みなさんは何が恋しくなるだろう。こたつ、みかん、はたまた人肌なんて人もいるかも知れない。  私はというと、冬には日本酒が恋しくなる。 「九州生まれです」と言うと、よく焼酎好きと思われるのだが、私は日本酒派。佐賀の母の実家から歩いて行けるところに酒蔵がいくつかあって、幼い

優しさのおすそ分け|飛騨さんぽ

「飛騨さんぽ」は、紆余曲折を経て雪国・飛騨に移り住んだ浅岡里優さんが、日々の暮らしの中で感じた飛騨の魅力を飾らない言葉で綴る連載です。第1回は、飛騨古川に暮らす人々の優しさについて。  私が暮らす飛騨古川は、戦国時代の武将・金森可重が築いた城下町である。 雪化粧した飛騨古川の白壁土蔵の街並み  飛騨といえば高山が有名だが、飛騨古川も高山に負けず、歴史情緒あふれる街並みが残っている。  一般的に、こういう歴史的に魅力ある場所は観光的な要素が多くなりがち。賑わいがあってい