ヴェルニーと軍港の横須賀【前編】|新MiUra風土記
電車がトンネルの闇を抜けると、左右の窓には港の艦船と谷戸の緑が見え隠れする。きょうはどんなフネが停泊してるのだろう? この瞬きのような光景に惹かれつづけてきた横須賀港。そして今回は写真を手がかりにして歩いてみたい。
「横須賀寫眞」。こう名づけられたエポックは近年、日本写真史に加えられたものだ。(*1)写真術はフランスが発祥の地。長崎の出島にいた外国人医師や写真師が、長崎製鉄所や日本の風景を写して上野彦馬らに伝授した。そして、この一連の黎明期の写真を「長崎寫眞」と呼んでみたい(