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新MiUra風土記

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この連載では、40年以上、世界各地と日本で20世紀の歴史的事件の場所を歩いてきた写真家の中川道夫さんが、日本近代化の玄関口・三浦半島をめぐります。
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2022年3月の記事一覧

横須賀、花見の長官舎と看板建築の街|新MiUra風土記

この連載「新MiUra風土記」では、40年以上、世界各地と日本で20世紀の歴史的事件の場所を歩いてきた写真家の中川道夫さんが、日本近代化の玄関口・三浦半島をめぐります。第6回は、三浦半島を東西にまたがる横須賀市の東側をめぐります。  横須賀の町は坂と谷戸と丘陵でできている。港の周縁はほとんどが埋立地で、人は日々、坂の上り下りを宿命づけられている。  市の中心街(東京湾側)は坂の下で、かつての行政・公共施設や老舗商店街がある坂の上は町名どおり上町と呼ばれてきた。  季節は