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新MiUra風土記

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この連載では、40年以上、世界各地と日本で20世紀の歴史的事件の場所を歩いてきた写真家の中川道夫さんが、日本近代化の玄関口・三浦半島をめぐります。
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2021年12月の記事一覧

南端、三崎港へ|新MiUra風土記

 これは、ことし三浦市が発行した、移住・定住情報誌「MIURA」の巻頭文の一節だ。  三浦半島の最南端、かつて日本有数のマグロ漁港だった三崎港の三浦市だが、人口減少によって神奈川県内で唯一の市の「消滅可能性都市」とされて、新規の来島者による定住促進、町おこしに迫られている。  けれど僕はこの半島南端の町に魅かれている。 北海道のような丘陵畑 三崎港といえばマグロだ。京急電鉄の「みさきまぐろきっぷ」は人気で、週末は京急三崎口駅の港へ向かうバス乗り場に行列ができる。僕は時間