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旅に効く、台湾ごよみ

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台湾にも南国ならではの季節の移ろいがあります。この連載「旅に効く、台湾ごよみ」では、季節の暦(二十四節気)に準じて、暮らしにとけこんだ行事や風習、日台での違いなどを、現地在住の作…
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2022年10月の記事一覧

台湾に架かる希望の虹|寒露~霜降|旅に効く、台湾ごよみ(24)

ザビエルが見た十字架を背負うカニ10月に入ると東北から吹き始める季節風「東北風」は、台湾各地にさまざまな気象をもたらす。北西部の新竹では「九降風」と呼ばれるからっ風が名産の干し柿やビーフンに吹きつける。台湾最南端の屏東恒春では、「落山風」という強い風が吹き始める。3~4千メートル級の中央山脈から、季節風が滑り台を降りるようにやってくるのだ。あまりに強い風のため、恒春では昔から目を病む人が多かったという。 海上を渡ってきた東北風は湿り気を帯び、基隆にじとじととした「基隆雨」を