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笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

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華道家元・笹岡隆甫氏による連載コラム。花にまつわる絵画や伝統芸能などの文化・歴史的背景を探り、さらなる花の魅力をお伝えします。
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#花の道しるべ

[雪月花]日本の美を表す三字熟語から、花の空間を演出する|笹岡隆甫 花の道しるべ …

暑さが一段落し、秋の花が顔を出しはじめると、おのずとイベントも増える。昨年9月には、大阪…

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仏教と建築、いけばなに通じる“量子的”思考|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

昨年8月、世界遺産・仁和寺に、建築家の山口隆さんが手がけた期間限定の茶室が展示された。細…

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【伊勢志摩サミット】いけばなを通して日本の風景を伝える|笹岡隆甫 花の道しるべ fr…

サミット史上初、“会議室”にいけばな2016年5月、G7伊勢志摩サミットの会場装花を担当した。…

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華と料理の競演で命の移ろいを表現|笹岡隆甫 花の道しるべ from 京都

桜の季節が近づくと、なぜかソワソワする。花も鳥も虫や獣たちも、長い冬を乗り越えて、春の太…

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[初いけ式]主役は雪の重みにしなやかに耐え、まっすぐ伸びる竹|花の道しるべ from …

流派の1年は、1月第2日曜日の「初いけ式」から始まる。祖父の時代から京都市内のホテルで開催…

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つるバラに合う、五線譜に散らばる音符のような赤い実|花の道しるべ from 京都

Barry McGee、杉本博司、塩田千春、荒木経惟、井田幸昌…。現代アートの第一線で活躍するアー…

【京都の節分】柊を飾り、鬼門の寺社でお参り|花の道しるべ from 京都

「福は内、鬼は外」。わが家は一合枡に盛った豆を撒いているが、紙で包んで撒けば、掃除も楽で、汚れを気にせず口にすることができると教わった。豆撒きの方法と同じく、節分のお参りも家や地方によってさまざまだ。京都では、節分の日に、吉田神社と壬生寺にお参りする風習がある。 吉田神社は、京都の鬼門である。鬼が出入りすると言われる鬼門は、北東。北を「子」として、時計回りに十二支を配当すれば、丑と寅の間、艮にあたる。私たちがイメージする鬼が、牛の角を生やし、虎の腰布をあてているのは、この丑

朝ドラ『らんまん』で、華道家にとって印象的だった花|花の道しるべ from 京都

文化庁の京都移転を花で彩るこの秋、文化庁京都移転を記念した事業が、京都府内各地で開催され…

日本人の心を揺さぶる“朽ちの美”|花の道しるべ from 京都

水落ちして変色した蓮の枯れ葉には、独特の存在感がある。金属製の舟形花器に枯れ葉を立ち上げ…

フィレンツェと京都をつなぐエンジュの木|花の道しるべ from 京都

 家元のすぐ近くに、東西に伸びる御蔭通という道がある。東へ向かうと滋賀県に抜ける山中越え…

青いもみじはありえない? 新緑の頃に考える、青楓の‟引き算の美”|花の道しるべ fr…

 3月から4月にかけて、毎日のように桜をいけた。寒緋桜からはじまって、陽光桜、本桜、八重桜…

源氏物語から抜け出してきたような高貴な花、藤の二面性|花の道しるべ from 京都

「そろそろ色づいてきたね」。 家の近くの公園。子供たちと、藤の花が開くのを今か今かと待ち…

旅立ちの時である新年 初釜で結び柳と白玉椿を飾るワケ|花の道しるべ from 京都

京都に住まう私たちの暮らしは、さまざまな年中行事に彩られている。お盆や五節句、祭礼などの…

秋バラで彩る 100年近く続く招待制の催し「洛趣会展」|花の道しるべ from 京都

京都の老舗が集い、毎年開催している「洛趣会展」という展示会がある。同人26社の常連客を対象とした招待制の催しで、それぞれのご主人が袴姿でお客様を迎えられる。招待状をいただいた方しか参加できないクローズドイベントなのだが、例年、会場は大勢の人で溢れかえる。 昭和3年に始まり、近年は毎年11月3日、4日の2日間、東本願寺渉成園、くろ谷金戒光明寺、八坂神社、祇園歌舞練場など、京都の寺社や古建築を会場にして行われてきた。毎年変わる会場を巡るのも楽しみの一つで、雰囲気や設えを確認しな