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プチ情報④~楽天は脅威か否か?~

NTTドコモ社員観点で考える楽天モバイルについて

遅れ遅れながら今年4月での本格参入を決定している楽天モバイル。
ぶっちゃけ・・・本格参入は脅威か否か?を競合他社であるNTTドコモ社員目線で書いてます。

楽天モバイルを考えるポイント3つ

そのポイントは大きく3つあります。
① 基地局の整備
② 完全仮想NWの技術的機能
③ 顧客獲得
この3つが揃うことで、楽天ブランドは大手3キャリアと十分に対抗できると言われています。

そのなかで何より重要なのが“基地局の整備”だと言われています。
基地局とはビルやマンションの屋上などに建てる装置であり、楽天モバイルは大都市は自前、それ以外はau回線を使用すると公言しています。

その自前基地局ですが・・・楽天は、
2020.3 3,432局 → 2021.3 8,652局 → 2026.3 27,397局〔人口カバー率95%〕を目指しています。

そのためのカギは・・・通建会社との連携にあります。

通建会社との関係性

弊社含む3キャリアも自前建設ではなく、通建会社に委託して実施している状況です。※通建会社とは:コムシスHD、協和エクシオ、ミライトHD、NECネッツエクアイなど
この通建会社との関係性が非常に重要であり、過去にはYmobileが「追加コストはそちらでお願いします」と下請けに押し付けを行った結果、「もうおたくの仕事はしない」といった大きな問題に発展したとのことです。
通建会社からの情報では、楽天の作業依頼提示額はKDDIの2~3割低い水準だといいますが、通建会社の反応は「今のところ合格」というのが総論とのことです。

他者からの引き抜き強化

加えて、楽天は通信業界経験者を多く引き抜いています。
SBからは日本テレコム時代からのエース徳永順二氏を昨年8/1付で常務執行役に、NTTドコモからは総務省対応を行っていた鴻池庸一郎氏を楽天モバイル幹部として受け入れたりと、それ以外にも「各社で役員になれなかった40~50代のエース格」や「ゼロからインフラづくりにチャレンジしたい30代若手」をどんどん引き抜いているといいます。

楽天モバイルに対する評価

昨年上期の反応は「楽天は全然ダメ」だったと思います。だからこそ本格参入の時期も後ろ倒しとなりました。
それは自社含む大手3キャリアもそういった旨のコメントを公言していました。〔ネットワークの一定の整備には時間がかかる〕
ただし、直近の状況は、上記したようにキャリアからのエース格の引き抜きや、通建会社との一定の関わり維持や、トライアル実施中の通信の一定評価もあって「予想外に善戦している」にシフトしつつあります。

とは言え、楽天が大手3キャリア、特に弊社水準のNWを構築することは到底できないでしょう。
しかし、残念ながら顧客は「圧倒的なNW」を求めていないのが現状かと思います。
楽天が「顧客が求める水準のNW」を構築できたとすると、、、圧倒的な楽天ブランドに顧客を大きく引き抜かれていく可能性は決して少なくはないのではないでしょうか?

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