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324 そんなに風呂に入りたい?

旅行、温泉、露天風呂、サウナ

 旅番組の多くで、いつも風呂と食事をメインにしている。風情のある温泉町をぶらついていながらも、「公共の温泉があって」といった話になっていき、やっぱり風呂に入ってしまう。そんなに風呂に入りたい?
 私は学生の頃は長風呂だった。30分か40分入っていた。バカみたいだ。いまでは10分程度。「100数えるまでつかっていなさい」ではないけれど、湯船に100数えるほども入っているかどうか。
 ただし、ほぼ毎日のように入りたい。シャワーもいいけど、風呂はやっぱりうれしい。その意味で風呂の大切さはわかっている。だけど、旅先のウリとして温泉があって、温泉となったらもう風呂しかない的な部分に、どうも納得できないでいる。
 はじめて海外旅行したとき、あのガランとした浴室に、鍋みたいな浴槽があってそこに湯を溜めるタイプだったとき、「映画みたい」と思いつつ、どうも満足感はなかった。何度も試したが、日本式の風呂に比べると浸かり具合がよろしくない。寒い時期はなおさらだ。風呂場の空気がいい感じになった頃にはもう出るしかない。長居は無用な風呂である。
 あれだったらシャワーで十分な気もする。
 そういえば、仕事での旅先では、ほぼシャワーだけが多い。面倒くさいのである。湯を溜める時間に比べると、そこでのんびりする時間はあまりにも短い。10分かけて湯を溜めて5分で出てくるようなところがある(実測したわけではないけれど気持ち的にそんな気になる)。
 特に、髪がかなり減ってきてからはさらに短くなった気もする。

どう楽しめばいいのかわからない

「あー、いい湯だ」「つい、声が出ちゃうね」といった会話を耳にすることもありそうな温泉。どうも入り方があるらしい。

 この記事によると「1回の入浴で出たり入ったりを3回繰り返す。そして1日に3回ほど入浴する。」とある。
 なるほど、それだけ入ればクタクタになるのでゆっくり休む必要も出てくる。要するに風呂に入って疲れを取りつつ疲れて果てて、ゆっくり休んではまた風呂に入る。修業のような世界。
 高校の修学旅行でバスガイドさんが「温泉には3回は入ってくださいね。ついてすぐ、そして夜、最後は朝早く起きて」みたいなことを言っていて、そんなに入れるか、と思ったものだ。だいたい、夜寝る前に入ったら暑くて眠れない。
 ともかく、温泉の楽しみ方を知らない人間として、「源泉掛け流し」「千人風呂」「由緒正しい温泉」「1日では入りきれないほど種類が豊富」といった一般的には魅力的な文言は、まったく通用しない。5分も入ればオシマイだからだ。
 そういえば最後に入った温泉はどこだったか。箱根かな。たぶん、そこでもササッと入ってあとはゴロゴロしていたはずだ。「もったいない」と言われるだろうけど。
 心を入れ替えて、いつかちゃんとまっとうに温泉に入る日が来る、かもしれない。来ないかもしれない。

あとちょっとが終わらない。


 
 

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